研究課題/領域番号 |
20K05732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
田代 悦 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (00365446)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 制がん剤耐性 / EMT / TGF-b / TGF-beta / シスプラチン / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
CDDPによるEMT誘導過程の分子機序を明らかにするため、CDDP添加後のEMTマーカー分子の発現挙動を時系列で測定する。続いて各種シグナル伝達阻害剤、さらにはEMT誘導転写因子のノックダウンがEMTマーカー分子の発現に与える影響を評価することで、CDDPによるEMT誘導のパスウェイを描画する。 また、作用機序の異なる制がん剤と遺伝背景の異なるがん細胞の組み合わせに対して、上記で使用した各種シグナル伝達阻害剤やEMT転写因子のノックダウンの影響も検出し、こられを数値化、クラスター解析することで、EMT誘導機構の普遍性・多様性を明らかにする
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研究成果の概要 |
大腸がんLoVo細胞に白金制がん剤シスプラチンを長期暴露すると、EMTを誘導した間葉系の細胞になることを見出した。そこでケミカルゲノミクスの手法を用いてそのメカニズムを明らかにしようと試みた結果、TGF-b受容体の阻害剤がシスプラチン耐性細胞の間葉系の形質を上皮の形質に戻すことがわかり、EMTを強力に誘導するTGF-bシグナルの活性化が薬剤耐性の獲得に重要であることがわかった。さらに、シスプラチンを処理するとTGF-bの分泌が促進することもわかった。以上、シスプラチンを処理するとTGF-bの分泌が促進されることでTGF-bシグナルが活性化し、これによってEMTが誘導されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
制がん剤を暴露し続けると制がん剤耐性を獲得することは古くから知られており、解決すべき問題の一つである。近年、制がん剤耐性とEMTの関連が明らかになり、申請者らが独自で行った実験でも、制がん剤耐性細胞でEMTが誘導されていることが再現できた。そしてそのメカニズムの一つとして、EMTを強力に誘導するTGF-bの分泌促進という新しいモデルを提唱できたことが本研究の学術的意義である。TGF-bシグナルの阻害剤は幾つか開発されており、それらが制がん剤耐性を獲得した実際のがん患者に応用され、効果が発揮されることを期待する。
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