研究課題/領域番号 |
20K05738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 公益財団法人サントリー生命科学財団 |
研究代表者 |
藤川 紘樹 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・構造生命科学研究部, 研究員 (50755874)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膜タンパク質膜挿入 / 糖鎖シャペロン / シャペロン様糖鎖 / 構造活性相関 / 糖脂質 / シャペロン / 膜たんぱく質 / 膜挿入 |
研究開始時の研究の概要 |
MPIase(Membrane Protein Integrase)は大腸菌の内膜から同定された新規の糖脂質で、膜タンパク質の膜挿入活性をもつ。我々は、MPIaseの活性要因として、糖鎖部のシャペロン様(疎水性タンパク質の凝集を抑制する)活性と、脂質部を介した膜の流動促進活性を見出し、作用機構を報告した。本研究では、蛍光MPIase類縁体を用いて、より詳細な膜タンパク質膜挿入機構を明らかにするとともに、膜タンパク質の再構成(膜挿入)効率を高める人工糖鎖シャペロンを創製する事を目的とする。
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研究成果の概要 |
大腸菌の膜タンパク質を内膜へ挿入する働きを持った糖脂質MPIaseの作用機構解明を目的に各種MPIase類縁体を化学合成し、均一な標品を用いた構造活性相関研究を実施した。その結果、トランスロコン非依存型の膜タンパク質膜挿入として、MPIaseの糖鎖部がリボソームで合成された新生タンパク質を捕捉し、凝集を抑制しつつ、ピロリン酸によって膜表面へと誘導後、膜挿入を行い、膜シャペロンYidCへと引き渡す事で、自身の挿入活性を再生するという機構を実証する事ができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜タンパク質は全ての生物に存在し、膜タンパク質膜挿入の基本的なメカニズムは全生物に保存されている。我々は、大腸菌をモデル生物として、糖脂質MPIaseが関与する膜タンパク質の膜挿入機構の一端を明らかにした。糖脂質MPIaseは糖鎖でありながら、タンパク質の凝集を抑制する活性を持ち、膜タンパク質の膜挿入を行う。さらに、膜シャペロンYidCと連携してタンパク質の膜挿入効率を高めることが明らかとなった。本成果は、大腸菌における糖脂質の新しい役割を示すとともに、糖鎖構造をモチーフとしたタンパク質凝集抑制剤の開発や膜タンパク質再構成技術の向上にも応用が期待される。
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