研究課題/領域番号 |
20K05748
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 卓男 大阪大学, 大学院薬学研究科, 講師 (80596601)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | オリゴ核酸 / 核酸医薬 / 細胞膜透過性 / 細胞内移行性 / 人工核酸 / 細胞膜 / 膜透過性 |
研究開始時の研究の概要 |
オリゴ核酸(アンチセンス核酸やsiRNAなど)は、抗体に続く次世代医薬として注目されている。しかしながら、高極性なオリゴ核酸は元来「細胞膜透過性」が低く、細胞に負荷をかける遺伝子導入法を使用しなければ高い活性を得ることが難しい。このことは、オリゴ核酸を医薬として研究開発する上で長年の課題となっている。そこで、本研究では細胞膜透過性を有する特殊なオリゴ核酸(CPO: cell-penetrating oligonucleotide)の取得を目指し、探索を実施する。また、得られたCPOの構造的特徴を解析し、低用量で高活性な核酸医薬の創出を視野に、アンチセンス核酸の細胞導入への応用を検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、細胞膜透過性を有する特殊なオリゴ核酸の創製とその医薬応用に向けた検証を目的としている。まず、我々は脂肪酸の膜透過性の高さに着目し、脂肪酸コンジュゲート型オリゴ核酸(アンチセンス核酸)を設計・合成した。続いて、その機能評価を実施した結果、パルミチン酸を2つコンジュゲートしたアンチセンス核酸について、細胞内移行性の大幅な向上を確認した。さらに、パルミチン酸とアンチセンス核酸との間にエンドソーム内で切断するリンカーを配置することで、アンチセンス核酸の細胞内移行性の向上と活性の向上を達成した。以上によって、当初目的を達成することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンチセンス核酸をはじめとする核酸医薬は、従来医薬では治療が困難な遺伝性疾患等に対する新たな治療手段として期待されており、実際に近年難病に対する核酸医薬品が続々と誕生してきているところである。一方で、核酸医薬は高極性なオリゴ核酸を本体とすることから細胞膜透過性(細胞内への移行性)が低く、投与したものの多くが薬効には繋がらない。本研究では、膜透過性が高い脂質を結合させることで、アンチセンス核酸の細胞内移行性並びに活性の向上を達成した。これらの技術は、高い薬効を示す核酸医薬の創出につながるものと期待される。
|