研究課題/領域番号 |
20K05751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
遠藤 智史 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (60433207)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オートファジー / 前立腺がん / オートファジー阻害剤 / がん / Atg4B / 構造活性相関 / 去勢抵抗性前立腺がん / 抗がん剤耐性 / 泌尿器がん / 阻害剤創製 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまでに進めてきたがんの生存戦略の破綻を目指した酵素阻害剤の創製や抗がん剤感受性とオートファジーとの関連性の解明研究を発展させ、オートファジー“特異的”阻害剤を開発し、泌尿器がん細胞の抗がん剤感受性に及ぼす影響を解析することで、がんにおけるオートファジーの意義の再考とオートファジー特異的阻害剤のがんアジュバント薬としての有効性の実証を行い、有効な治療薬が限られる泌尿器がんの新規治療薬の創製を目指す。
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研究成果の概要 |
オートファジーに特徴的なイベントであるオートファゴソーム形成に重要なシステインプロテアーゼAtg4Bの阻害剤を見出した。この化合物をリードとし、構造最適化を行い、活性と物性を向上させた誘導体の創製に成功した。前立腺がん細胞を用いた検討で、単独での細胞毒性が低い一方で、抗がん剤との併用で作用増強効果を示したため、HCQとは異なりリソソーム機能阻害に依存しないがんアジュバント薬になることが期待された。また、見出したAtg4B阻害剤の構造情報を基に、長鎖脂肪酸がAtg4B阻害を介したオートファジー阻害剤であることを見出し、そのがんアジュバント薬としての有効性を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年オートファジー阻害剤ヒドロキシクロロキンと既存抗がん剤との併用に関する臨床試験が実施され、オートファジーを標的とした治療の有効性が多数報告されてきた。しかし、ヒドロキシクロロキンには副作用の問題に加えて、その抗がん活性にオートファジー阻害が寄与しないことも報告され、がん治療標的としてのオートファジーに疑問を唱える声も出ている。本課題では、新規オートファジー阻害剤としてオートファゴソーム膜形成を阻害するAtg4B阻害剤を創製し、そのがんアジュバント薬としての有効性を実証し、オートファジーの分子基盤の解明やオートファジー特異的阻害剤の臨床応用に向けた重要な知見が得られたと考える。
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