研究課題/領域番号 |
20K05758
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
|
研究機関 | 久留米工業高等専門学校 |
研究代表者 |
萩原 義徳 久留米工業高等専門学校, 生物応用化学科, 准教授 (10628548)
|
研究分担者 |
杉島 正一 久留米大学, 医学部, 准教授 (30379292)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 光合成色素 / ビリン色素 / オプトジェネティクス / 光遺伝学 / フィコビリン / 鉄硫黄タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
PcyAはフェレドキシン依存性ビリン還元酵素の中で、最も分子機構の深化が進んでいる酵素である。本課題はPcyAの部位特異的変異による機能改変を通して、ビリン色素の自在なデザインを実現し、多彩な色調の開環テトラピロール色素を創製することを目的とする。 ヘム代謝物であるビリンは、植物やラン藻においては光センサー色素としても機能する。紫外から近赤外までの光をそれぞれ受容する新規ビリン色素と光センサータンパク質を組み合わせ、任意の光を利用した光スイッチによるマルチタスク制御の遺伝子操作を目指す。そのためにPcyAの活性残基を戦略的に改変し、様々な色彩を持つビリン色素を生み出す酵素ライブラリを構築する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、各光色を受容するビリン色素を生み出す酵素ライブラリを構築することを目的とする。酵素改変によりビリン色素の機能的デザインを行い、光センサータンパク質と組み合わせ、任意の光色を複合的に用いた多スイッチ型マルチタスク制御のオプトジェネティクスの促進を目指した。 酵素に電子を供給するタンパク質群の濃度比を調整して酵素反応を進めることで、最終生成物の合成速度だけでなく、酵素反応における中間産物の合成速度と分解速度において、中間産物の安定性も評価した。最終生成物や中間産物と考えられる色素はHPLCで解析し、ビリン色素としての反応中間体の収量を上げるための部位特異的変異酵素の作製も実施した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ビリン色素はヘムの代謝産物であるため、植物のほか、動物や細菌に至るまで存在する色素である。2017年には、新生児黄疸の原因ともなるビリルビンを合成する酵素の結晶構造が、本研究者が参画した研究によって明らかとなり、ビリン色素の基礎医学的側面からの応用にも光が当てられている (H. Takao, et al., Nat. Commun., 2017)。 生物界に広く存在するビリン色素の改変を目指す本研究によって、有機化学合成が困難なビリン色素を酵素化学的に自在にデザインすることで、光センサータンパク質が鍵を握るオプティジェネティクスの新たな展開が期待できる。
|