研究課題/領域番号 |
20K05763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸山 隼人 北海道大学, 農学研究院, 助教 (10633951)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 菌根形成 / 土壌中リン / 遺伝子共発現ネットワーク / リン可給化 / リン獲得 / トランスクリプトーム / リン酸輸送体 / AM菌根共生 / ミナトカモジグサ / 菌根 / 根圏 / 難溶性リン |
研究開始時の研究の概要 |
アーバスキュラー菌根(AM)菌と共生した植物(菌根形成植物)は植物自身による直接経路とAM菌を介した菌根経路からリン酸を吸収する。菌根形成植物は、各経路に特異的なリン酸輸送体の発現制御を通してリンの吸収経路を調節することが知られているが、その生理・分子機構の全容は不明である。本研究では、変異株を用いた表現形質の評価と遺伝子機能解析、根および菌糸圏におけるリンの土壌化学的分析を実施し、菌根形成植物体におけるリン可給化とリン吸収経路の制御機構の関係を明らかにする。本研究により、菌根共生機能を活用したリン資源の効率的な利用において有益な基盤情報を得る。
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研究成果の概要 |
本研究では、菌根を形成するモデル植物のミナトカモジグサを用いて、土壌中のリンの可溶化や吸収機構を遺伝子レベルで調査した。菌根の形成と機能は土壌中の養分状態に応じで生育期間を通して変化しており、また菌根菌種が異なると根における共生関連および養分獲得関連遺伝子発現機構が大きく異なることが明らかとなった。さらに、根分けした植物体の根の遺伝子発現および土壌中のリン形態を調べた結果、局所的な菌根形成に応じてリンの可溶化および吸収といったリン獲得戦略を制御している可能性が示唆された。本研究を通して、菌根形成植物の養分条件や菌種特徴的な応答および根の局所的な菌根形成によるリン獲得制御機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
作物によるリンの効率的な獲得を目指す上で、アーバスキュラー菌根(AM)菌との共生した根(菌根)におけるリンの獲得機構を理解する必要がある。本研究に置いて菌根形成植物の養分条件や菌種特徴的な応答および根の局所的な菌根形成によるリン獲得制御機構が存在し、その制御に関わる遺伝子群を同定することができた。この成果は今後、菌根利用能を強化したコムギやトウモロコシを代表とする作物育種などにおいて重要な遺伝資源になりうる。AM菌活用力とリン可給化力を効率的に制御し、土壌リン栄養に応じたリン吸収が可能な植物体が実現できれば、枯渇が懸念されるリン資源の有効利用や施肥削減に大きく貢献できる。
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