研究課題/領域番号 |
20K05764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
森田 明雄 静岡大学, その他部局等, 理事 (20324337)
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研究分担者 |
一家 崇志 静岡大学, 農学部, 准教授 (90580647)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | カフェイン / 茶樹 / 根圏放出 / アルミニウム / チャ |
研究開始時の研究の概要 |
チャは,土壌pHが酸性かつ毒性の高い3価のアルミニウムイオン (Al3+) が多量に存在する条件下においても良好に生育できる超Al耐性植物である.これまでに我々は,チャはAlに応答して有機酸の一種であるシュウ酸の他にも,アルカロイドの一種であるカフェインを根から放出することを発見した.このカフェイン放出についてはAl処理に応答した放出パターンを示すことから,Al耐性機構との関連性が示唆されているが,その意味や役割については未解明である.本研究では,超Al耐性植物であるチャで特異的に観察されたAl誘導型のカフェイン放出の分子機構とその役割を解明することで,植物の新たなAl耐性機構の可能性を探る.
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研究成果の概要 |
本研究では「チャがアルミニウム (Al) 存在下で良好な生育を示す要因の一つは,Al誘導型のカフェイン放出によりカロース沈着が阻害され,根の伸長を維持できるためである」という仮説を考え,Alストレスとカフェイン放出との関係性解明を目的とした.まず,幼茶樹を用いた水耕栽培により,低濃度のカフェイン添加でチャ根の生育が促進することを明らかにした.次に,チャ根からのカフェイン放出についてAl特異性・応答性を検証し,根からのカフェイン放出はAl特異的で,Al処理濃度の増加に伴い増加する傾向を観察した.なお,これら一連の応答については,カフェイン生合成遺伝子の発現レベルでは説明ができなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物へのAl耐性付与は世界規模での農林業等に大きく貢献する.特に,根圏のAlに応答した根からの低分子化合物放出によるAl無毒化は最も重要なAl耐性機構であるため,様々な植物種で研究が進められている.本研究では,Alを有用元素とする代表的な超Al耐性植物であるチャ特有の「Al応答型のカフェイン放出」の意義について,その一端を明らかにすることができた.今後,カフェイン放出やそのシグナル伝達経路に関わる責任因子の全容解明により,これらAl耐性に関わる更なる知見を提供するこができ,世界の食糧問題に対して大きなインパクトを与えることが期待される.
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