研究課題/領域番号 |
20K05772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐々木 孝行 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (60362985)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 気孔 / ALMT輸送体 / リンゴ酸 / シロイヌナズナ / トマト / リンゴ酸輸送体 / 有機酸 / ALMT / 気孔閉口 / 環境適応 / 電気生理学 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の気孔は二酸化炭素の取込みや水の蒸散の場として,植物栄養学的に重要な働きを示す.気孔を構成する孔辺細胞には数種のイオン輸送体が存在し,気孔の開閉に関与する.本研究では,孔辺細胞にあり気孔閉口に関与するリンゴ酸輸送体に着目した.そのリンゴ酸輸送体が,気孔閉口の際にどのように活性化されるのか,分子メカニズムを解析する.また,その特性を応用し,乾燥耐性や二酸化炭素の取り込みを強化した分子育種への応用,および作物の生産生向上を目指す.
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研究成果の概要 |
トマトのSlALMT11とシロイヌナズナのAtALMT12に関して,植物における気孔閉口の誘導様式とタンパク質の機能領域について比較解析した.アポプラスト側のリンゴ酸が誘導する気孔閉口に,2つの気孔タイプALMTは関与した.しかし,アブシジン酸を介した気孔閉口への関与は,植物種により異なっていた.一方で,2つの気孔タイプALMTは,電気生理学的性質として一定の膜電位を頂点にした「ベル型」電流・電圧様式を示した.そして,タンパク質のC末端酸性アミノ酸の欠損により,膜電位依存的に電流が増大する様式へと変化したことから,このC末端酸性アミノ酸が膜電位センサーとして機能することが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンゴ酸輸送体ALMTファミリーの生理機能の多様性に着目して,本研究では気孔タイプALMTが関与する,気孔閉口の誘導シグナルにトマトとシロイヌナズナで相同・相違点を見いだした.これは気孔タイプALMTを乾燥耐性の付与,高CO2適応に応用する際に有用な情報となる.さらに,気孔タイプALMTタンパク質のC末端酸性アミノ酸が電位センサーとして機能することは,今後ゲノム編集などでC末端側を削除することで,気孔開口を調節した作物をつくる技術転用への可能性を示した.そして将来的に,気孔タイプALMTの機能制御により,気候変動に耐性を付与した作物をつくり,持続的な作物生産と品質向上への応用が期待できる.
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