研究課題/領域番号 |
20K05773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三谷 奈見季 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (40581020)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 輸送体 / ミネラル / 再分配 / イネ / 維管束鞘細胞 / ケイ素 / 分配 / ケイ酸 / リン / 低投入 |
研究開始時の研究の概要 |
農作物の収量の確保と品質の維持には肥料成分の投入が不可欠であるが、その原材料の多くは限りある資源である。将来に向けた持続可能な農業の実現のためには肥料の利用効率の高い作物の作出が求められる。本研究ではイネのソース葉の維管束で高発現している輸送体遺伝子や葉肉組織でミネラル欠乏に応答して発現が増加する遺伝子等をトランスクリプトーム解析から選抜し、その機能と生理的役割を詳細に解析することによってイネ体内における必須ミネラルの再分配機構を明らかにする。本研究はミネラル利用効率の向上から肥料の「低投入」、さらには「持続可能な農業の発展」に大きく貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究はイネにおけるミネラルの「再分配」の分子メカニズムを明らかにすることとし、組織別器官別、栄養条件別におこなったトランスクリプトーム解析からいくつかの再分配に関与する候補遺伝子を抽出し、その機能解析を行った。結果として細胞膜に局在しリンの導管から師管への乗せ換えに関わる輸送体、リン欠乏に応答して液胞に貯蔵されているリンの細胞質への取り込みに関わる輸送体、および維管束鞘細胞の細胞膜に局在し、ケイ酸の維管束組織外への排出に関わる輸送体等を単離同定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物は必要なミネラルを獲得するために様々な戦略を持っているが、これまでのミネラル欠乏耐性機構に関する研究は、根からのミネラル吸収を担う輸送体の発現を上昇させたり、そのための根の構造を変化させたりと外界からの吸収の増強を目指したものがほとんどであった。しかしある種のミネラルはその必要量の大部分を植物体内でのやりくりによってまかなっており、本研究の遂行によって得られたミネラルの「再分配」とそれに関与する輸送体の知見は、ミネラルの利用効率化から肥料等資材の低減につながることが期待できることから社会的意義が非常に大きい研究成果だといえる。
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