研究課題/領域番号 |
20K05797
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
広岡 和丈 福山大学, 生命工学部, 教授 (20389068)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 枯草菌 / タンパク質発現 / フラボノイド / ラムノース / ペクチン / T7 RNAポリメラーゼ / 細菌フェロモン / 誘導物質 |
研究開始時の研究の概要 |
枯草菌はヒトや動物に有害となる物質を含まないため、目的タンパク質を有害物質フリーで生産する際の宿主として適しているが、大腸菌宿主系よりも発現誘導物質が制限されること、発現量が少ないことが弱点である。本研究では、枯草菌でラムノース、フラボノイド、および細菌フェロモンといった低毒性物質で誘導されるタンパク質高発現系を構築し、安全かつ高効率のタンパク質生産技術を開発する。ラムノース誘導系は誘導物質の取り扱いやすさと誘導特異性、フラボノイド誘導系は誘導物質の細胞膜透過能と別の細菌宿主への転用の可能性、細菌フェロモン誘導系は細胞密度に応じた発現誘導というように各々が産業利用する上で有用な特徴をもつ。
|
研究成果の概要 |
枯草菌宿主で低毒性物質で誘導可能なタンパク質発現系の開発を行った。フラボノイド応答性プロモーター (PqdoI) とT7 RNAポリメラーゼ遺伝子 (T7 pol) との連結を染色体に組み込み、T7プロモーター制御下の目的遺伝子をもつプラスミドを導入し、フラボノイド誘導型T7発現系を作製した。また、T7 pol制御を担うPqdoIを改良して誘導条件での発現量を向上させた。 T7 pol制御領域をラムノースまたはペクチンに応答する各プロモーターに置換して、各糖で誘導されるT7発現系の作製を試みた。ペクチン誘導型では誘導までに長時間を要し、ラムノース誘導型では非誘導条件でも発現の漏れが認められた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
枯草菌は哺乳類に対して非病原性であり、本研究で用いたいずれの誘導物質も哺乳類への毒性が低いので、当該T7発現系によって目的タンパク質の有害物質フリーでの獲得が容易となる。フラボノイド誘導型発現系では、厳密な発現制御と高発現量を両立できており、目的タンパク質が宿主細胞の増殖に悪影響を及ぼす場合に有用となる。アグリコン形態のフラボノイドは疎水性が高いので、特定の輸送体を介さずに膜透過で細胞内に取り込み可能である。したがって、当該発現系の他の細菌宿主への移行が比較的容易であると考えられる。誘導物質の1つであるケルセチンが安価なこともこの発現系の産業利用の可能性を高めている。
|