研究課題/領域番号 |
20K05798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
將口 栄一 沖縄科学技術大学院大学, マリンゲノミックスユニット, グループリーダー (90378563)
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研究分担者 |
濱田 麻友子 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40378584)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルファプロテオバクテリア / 褐虫藻 / ゲノム / マイコスポリン様アミノ酸 / 遺伝子群の水平伝播 / サンゴの白化 / ビタミン / 二次代謝産物 / 共生クロレラ / 共生バクテリア / 遺伝子の水平伝播 / サンゴ白化現象 / 高温耐性 / 高温耐性褐虫藻のゲノム / 遺伝子クラスター / 光エネルギー / バクテリア / 共生 / 渦鞭毛藻 / クロレラ / 光酵素 / 紫外線防御物質 |
研究開始時の研究の概要 |
サンゴに共生する藻類は、世界的規模で起こっているサンゴ白化現象等の海洋環境問題に直接関係する重要な生き物です。しかしながら、サンゴ共生藻の遺伝子機能を解析する技術は確立していません。本研究では、高温や強光のストレスに耐性のある藻類の酵素遺伝子や分子の機能を解析する技術を開発し、生物間インターラクションに重要な藻類の分子の同定を目指します。
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研究実績の概要 |
昨年度までに褐虫藻ゲノム間の比較解析により、褐虫藻種間のインターラクションがサンゴの白化現象を分子レベルで解析していく上で重要であるかもしれないことを示唆する結果を得て、論文として報告することができた。一方で、褐虫藻とバクテリアのインターラクションが褐虫藻の増殖に重要であることが示唆されてきているが、サンゴや褐虫藻に共生するバクテリアは、そのほとんどが16S rRNA遺伝子による多様性の解析にとどまってきた。例えば、我々がゲノムを解読してきた褐虫藻4種の中で、白化に耐性のある褐虫藻Durusdinium trenchiiだけが抗生物質の存在下において増殖することができないことなどから、バクテリアとのインターラクションが重要であることが示唆されている。本研究において、サンゴに共生する褐虫藻4種の培養株に共在しているバクテリアの全ゲノム配列を決定し、公的データベースに登録した。その4種に共通のバクテリアは、培養が難しいとされてきたアルファプロテオバクテリアであった。しかしながら本研究ではその単離培養に成功した。4種のバクテリアのゲノムサイズは、2.9~3.9 Mbであった。2800~3800個の遺伝子をコードしており、褐虫藻が合成できないビタミンの合成遺伝子セットをコードしているなど、褐虫藻とのインターラクションに重要と考えられる遺伝子群の存在を明らかにした。バクテリアゲノムにコードされた遺伝子セットから予測される分子レベルのインターラクションを議論し、論文としてまとめた。本研究で得られた結果は、白化しやすいサンゴに共生し、培養の困難な褐虫藻を単離培養し、解析していく上で役に立つ可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共生バクテリアのゲノム解析が順調に進み、予想外の結果が得られた。得られた結果を論文としてまとめ、投稿することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
解析してきたゲノム情報を基盤として、サンゴ共生渦鞭毛藻または共生バクテリアが生産する二次代謝産物を同定し、その結果を取りまとめる。代謝産物の機能解析を渦鞭毛藻を用いて解析するための実験系の確立を行う。
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