研究課題/領域番号 |
20K05806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 晃代 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (40727640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 新生鎖 / 翻訳促進 / ペプチド / 大腸菌 / 翻訳 / N末端ペプチドタグ |
研究開始時の研究の概要 |
新生鎖とは、リボソームによるmRNAの翻訳過程初期に生じる新生ペプチド鎖である。これまでは単なる翻訳途上の中間物と考えられてきたが、近年、タンパク質の品質制御機能、翻訳遅延効果などの、生理学的意義を持つことがわかってきた。 本研究では、申請者らがこれまでの研究過程で独自に見出した「数アミノ酸から成る新生鎖による翻訳効率(タンパク質合成速度)促進効果」をより詳細に解析し、細菌、酵母、糸状菌、動物細胞などの組換え生産系で、欲しいタンパク質を簡単かつ大量に生産するための基盤技術を構築することを目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究においては、申請者がこれまでの研究過程で見出した翻訳促進新生鎖であるSKIKペプチド配列の翻訳促進作用について、そのメカニズムを明らかにし、タンパク質を簡単かつ大量に生産するための基盤技術の構築を目指した。 その結果、翻訳を停止させることで知られる翻訳アレストペプチド(AP)との組み合わせ実験により、MSKIKという新生ペプチドが、大腸菌のAP(SecMおよびCmlA leader)による翻訳停止を打ち消す作用を有することを明らかとした。また、MSKIKとAPの距離により、その翻訳停止の打ち消し効果が異なることが示され、生命に普遍的な翻訳工程おいて未知の制御機構が存在することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、数アミノ酸からなる新生ペプチドが、翻訳を停止させるアレストぺプチドの作用を打ち消すことを見出した。本成果は、遺伝子のコードするアミノ酸の組成が、翻訳効率ひいては目的タンパク質の生産性に影響しうる、ということを意味する。これは、生命に普遍的な翻訳工程に、未知の制御機構が存在することを示しており、その基本原理を理解するための一助となるものであると考えられ、学術的観点からも重要な知見である。 また、今回得られた知見は、持続可能なバイオ産業・研究におけるタンパク質や新規なバイオマテリアルの生産性向上に資することから、社会的な意義も大きいと考えられる。
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