研究課題
基盤研究(C)
本研究ではD. radioduransのDdrAタンパク質、DdrAPタンパク質、PprAタンパク質およびDNAジャイレースが、放射線耐性に重要なDNA二本鎖切断修復機構である凝縮核様体依存的末端結合にどのような役割を果たしているかを調べるために、研究期間内に、(1)遺伝子欠失株の特性解析、(2)ゲノム二本鎖切断修復過程の解析、(3)凝縮核様体依存的末端結合関連タンパク質の機能解析を行う。本研究によって、申請者が提唱した放射線抵抗性細菌に特有の凝縮核様体依存的末端結合によるDNA修復機構の特徴を明らかにすることができる。
Deinococcus属細菌では、DNA損傷誘導性タンパク質DdrAと構造が類似しているDdrAPタンパク質が高度に保存されている。また、ddrAP遺伝子はその直下にあるdr0042遺伝子とオペロンを形成している。DR0042はDdrAPと複合体を形成することで、 凝縮核様体依存的末端結合(CNDEJ)に関与するPprAなどのDNA修復関連タンパク質とDdrAPの相互作用を制御しており、さらにDNA修復完了後にDdrAPがDR0042から解離してDdrAと複合体を形成することで、複製の妨げとなるDdrAのすみやかな不活性化を促している可能性が示唆された。
放射線抵抗性細菌に特有のDNA修復機構である凝縮核様体依存性末端結合(CNDEJ)の構成要素としてこれまでに、PprAタンパク質、DNAジャイレース、DNAリガーゼが明らかになっている。本研究によって、DR0042タンパク質がDdrAタンパク質及びDdrAPタンパク質と相互作用することが示唆され、CNDEJの構成要素として放射線抵抗性細菌が持つDNA損傷誘導性のDNA修復機構の一端を担うことが明らかになった。機構の解明は、新たな遺伝子工学試薬の開発にも繋がり、生命科学の新たな展開に貢献すると考えられる。
すべて 2023 2022 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (35件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件) 備考 (8件)
QST Takasaki Annual Report 2021
巻: QST-M-39 ページ: 85-85
Microbiology Resource Announcements
巻: 11 号: 10
10.1128/mra.00836-22
Astrobiology
巻: 21 号: 12 ページ: 1494-1504
10.1089/ast.2020.2424
QST Takasaki Annual Report 2020
巻: QST-M-33 ページ: 86-86
巻: QST-M-33 ページ: 85-85
Applied Cell Biology Japan
巻: 34 ページ: 1-16
40022803857
QST Takasaki Annual Report 2019
巻: QST-M-29 ページ: 96-96
巻: QST-M-29 ページ: 97-97
巻: 9 号: 15
10.1128/mra.00145-20
Frontiers in Microbiology
巻: 11
10.3389/fmicb.2020.02050
巻: 9 号: 50
10.1128/mra.01188-20
http://thelonious.moon.bindcloud.jp
http://ris.toyo.ac.jp/profile/ja.a2cc3f430e87b3e77d1b37996e9736fa.html
http://www.toyo.ac.jp/nyushi/undergraduate/lsc/dlsc/laboratory/narumi.html
http://www.toyo.ac.jp/nyushi/column/video-lecture/20150603_01.html
https://toyobioresilience.jp
http://www2.toyo.ac.jp/~narumi/