研究課題/領域番号 |
20K05817
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
三井 亮司 岡山理科大学, 生命科学部, 教授 (60319936)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 植物共生微生物 / メチロトローフ / PQQ / ランタノイド / メタノールデヒドロゲナーゼ / 二成分制御系 / 植物生育促進 / Methylorubrum / 植物生育促進微生物(PGPM) / 化学コミュニケーション / メタノール脱水素酵素 / メタノール / Methylobacterium / 共生 |
研究開始時の研究の概要 |
動物や植物などの高等生物は様々な微生物と共生している。その共生関係は互いに供給しあう化合物が媒介物質となるコミュニケーションと捉えることができる。相利的な共生関係においては化合物を介した、いわゆる化学コミュニケーションにより宿主側、微生物側にとってともに有益な関係を構築していると考えられる。本研究では十分解明されていない植物と微生物の化学コミュニケーションのメカニズムを明らかにし、農作物の生育促進技術への応用や病気の防御へと応用につなげるべく研究を進める。
|
研究成果の概要 |
植物葉上に共生する細菌Pink Pigmented Facultative Methylotrophs(PPFMs)は 植物ホルモンやPQQ等の化合物を植物に供給して生育を促す。このことからPPFMsを利用した作物の増収効果などへの応用が期待される。本研究では植物が光合成により生成する活性酸素種の影響を、PPFMsがPQQを葉上特異的に分泌して消去することに着目した。PQQの葉面特異的分泌はMxbDMと呼ばれる二成分制御系が調節を担い、ランタノイドを指標とした植物と微生物の化学コミュニケーションが示唆された。この遺伝子の破壊は共生に関わる酵素や分泌物に大きな影響を与えることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は地球の温暖化等をはじめとする環境の変化による食糧供給に資することが期待される。植物は根圏や葉圏で多くの微生物と共生関係を築き生育の促進効果や病原性微生物を防御するなどの共生関係を形成しているが、そのメカニズムは不明な点も多い。今回の研究ではPPFMsと呼ばれる微生物群が光合成を補助する役割をもつPQQを葉上特異的に分泌する新たなメカニズムの解明について幾つかの知見が得られた。光合成を補助するためには地上部特に葉面ではたらくことが必要であり、これに遷移金属元素のランタノイドが貢献していることは興味深い。このメカニズムの解明は微生物を用いた先端農業へ貢献が期待される。
|