研究課題/領域番号 |
20K05821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
桐生 高明 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主任研究員 (20416308)
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研究分担者 |
木曽 太郎 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究室長 (90416313)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | グルカル酸 / 配糖体 / アルコールデヒドロゲナーゼ / 酸化反応 / 環状糖 / アルデヒドデヒドロゲナーゼ / グルクロン酸 / 糖酸化酵素 / デヒドロゲナーゼ / 酸化酵素 / 酸性糖 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らの研究する糖酸化菌のアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)はアルドヘキソースのC-6位を酸化することが報告されている。しかし、本ADHの糖に対する基質特異性の報告はごく一部の単糖に限られる。申請者らは本菌が配糖体、オリゴ糖を酸化することを見出した。本申請では本菌のこれらの糖質への作用性や生成する酸化物の構造を決定し、本菌糖酸化活性と基質の構造との関係や、生成物の構造との関係を体系的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
『配糖体酸化反応の解析』:Pseudogluconobacter saccharoketogenes休止菌体を破砕し、各種クロマトでアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)を部分精製し、各種配糖体対する酸化活性を調べた。配糖体のアグリコン部の違い(p-ニトロフェニル基またはメチル基等)や結合の違い(αまたはβ結合)は酵素の活性にほとんど影響しないことから、酸化酵素の基質認識へのアグリコン部の影響は小さいとが分かった。本結果は本菌のADHが以下に示すような比較的大きなアグリコンもつ配糖体に対しても比較的高い活性を示すことを支持している。本菌がpNP-およびメチルα/β-グルコシドの酸化物やある種の配糖体酸化物を効率的、かつ高収率で生成することを明らかにした。 『オリゴ糖酸化反応の解析』:休止菌体を用いグルコース二分子がα1,1結合したトレハロースを酸化すると、グルクロン酸二分子がα1,1結合したトレハロース二酸化物を効率的かつ高収率で生産できることを明らかにした。また、トレハロース酸化反応を触媒する酵素はグルコースのC-6位を酸化するADHと同じ酵素であること、本酵素はトレハロースをD-グルコースと同じぐらい効率的に酸化することを見出した。 『環状糖酸化反応の解析』:昨年度はP. saccharoketogenes休止菌体で環状糖酸化物を調製し、精製及び構造決定により環状糖のC-6位のヒドロキシメチル基が酸化されていることを明らかにした。また、上記のADHが本環状糖の酸化を行うことを明らかにした。本環状糖の反応効率はグルコースやトレハロースより低いことから、効率的に反応を行う条件の確立が課題であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和二,三年度までに予定していた、オリゴ糖、配糖体、環状糖の構造決定やそれらを酸化する酵素の同定、酵素の基質特異性の解明は目標をほぼ達成できた。令和四年度はPseudogluconobacter saccharoketogenes休止菌体によるオリゴ糖、配糖体、環状糖の酸化反応の解析を予定していた。オリゴ糖(トレハロース等)や配糖体(pNP-α/β-グルコシド等)については効率的かつ高収率で酸化することができたことから、計画は概ね順調に進展している。環状糖の酸化反応についても実施したが、こちらは当初の予測とは異なり、反応が途中で停止するなどしたことから、更なる反応条件の検討などを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
配糖体の酸化に関しては、より大きなアグリコンをもつ配糖体の酸化反応について研究を行う。 環状糖の酸化反応をより詳細に解析し、反応の更なる効率化をめざす。
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