研究課題/領域番号 |
20K05823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
浦山 俊一 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50736220)
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研究分担者 |
竹下 典男 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20745038)
豊福 雅典 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30644827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 細胞外膜小胞 / 糸状菌 / 発酵 / eMV / メンブレンベシクル / 酵素 / 麹菌 / 分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
生物が細胞外に産生する膜小胞(以下eMV)は、『細胞外への物質輸送』を担う新たな機構として認識されつつある。近年その多岐にわたる機能から様々な生物種で研究が進められ、糸状菌においてもeMVの産生が報告され始めている。しかし、その対象はヒト病原糸状菌に偏重しているのが現状である。そこで本研究では発酵菌に着目し、発酵菌の特性とeMVの関係性を明らかにすることを目指す。従来、糸状菌が有する発酵能力は“分泌機構”で理解されてきたが、細胞内外を繋ぐ新たなシステム(eMV)の発見は糸状菌細胞の理解に新たな視点を付加し、ものづくりや微生物生態の領域にも波及効果をもたらすことが期待される。
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研究成果の概要 |
生物が細胞外に産生する膜小胞(以下eMV)は、『細胞外への物質輸送』を担う新たな機構として認識されつつある。糸状菌においてもeMVの産生が報告されているが、我々の食と密接な関係を有している発酵菌については研究例が少ない。そこで本研究では発酵菌に着目したeMV産生の基盤的知見を収集した。具体的には、①液体培養後期にほぼすべての菌がeMVを産生する一方、一部の発酵菌は培養前期にもeMVを放出すること、②培養後期のeMVには複数の菌種で共通する2つの主要タンパク質が存在すること、③発酵にかかわる分解酵素はほとんどeMVに含まれていないこと、を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は発酵菌を主要な対象としつつも、多数の糸状菌種を用いることで糸状菌において普遍的なeMV産生関連の知見を蓄積することができた。特に、高度に精製したeMVを用いた点や、経時的なeMV産生状況の調査により、従来の糸状菌eMV研究では明らかでなかったeMV産生タイミングや普遍的な主要タンパク質の存在を明らかにすることができた。これらの知見は、麹菌などの家畜菌が有用な性質を示す機構の解明や、発酵食品中に含まれるeMVの機能解明や有効利用へとつながる足掛かりになると考えられる。
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