配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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研究実績の概要 |
膜貫通タンパク質に生じるN-ミリストイル化の機能解明を目的としたこれまでの本研究から、全ミトコンドリアタンパク質が収集されたMitoProteomeのアミノ酸配列情報をもとに、これまでに確立した手法によりN-ミリストイル化タンパク質の網羅的同定の試みを行なった結果、多数の膜貫通タンパク質を含む30個を超える候補タンパク質を見出した。 本研究ではこの中から膜貫通タンパク質と推定される3つのタンパク質を含む7つのタンパク質(CLN3,DMAC1,HCCS,MARC1,NDUFB7,NOL3,PLGRKT)についてN-ミリストイル化の有無とその機能について解析を行なった。その結果、7つのタンパク質はいずれのタンパク質も細胞での過剰発現に伴いN-ミリストイル化されるが、このうちミトコンドリアに特異的に局在するのは2つの膜タンパク質DMAC1, PLGRKTを含む4つのタンパク質(DMAC1,HCCS,NDUFB7,PLGRKT)であることが明らかになった。また、1回膜貫通型膜タンパク質と考えられるMARC1は、ミトコンドリアと小胞体の2つの細胞小器官に局在することが示された。さらにN-ミリストイル化を阻害した変異体(G2A mutant)を用いた解析から膜貫通タンパク質と推定されるDMAC1,PLGRKT,MARC1ではいずれにおいてもミトコンドリアへの移行にN-ミリストイル化は必要ではないことが示された。これに対して、可溶性タンパク質であるNDUFB7,HCCSのうちNDUFB7のミトコンドリアへの移行にはN-ミリストイル化が必要であることが明らかになった。これらの結果から、ミトコンドリア内には多数のN-ミリストイル化タンパク質が存在するが、これらのうち膜貫通型タンパク質に生ずるN-ミリストイル化はミトコンドリア局在には関与せず、他の機能を担っていることが示唆された。
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