研究課題/領域番号 |
20K05835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
野村 隆臣 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (90362110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多糖類分解 / アルギン酸 / ペクチン酸 / リアーゼ / 加水分解 / バイオエタノール / 単糖生産 / 多糖類分解細菌 / 酵素 / ペクチン質 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が単離した新規細菌NT5株は、アルギン酸やペクチン質等の天然多糖類を分解・資化する酵素群の推定遺伝子を保有しており、下記課題を遂行することで「原料多糖類から有用単糖への高効率変換」の新規技術の基盤構築を図る。 【課題Ⅰ】個体レベルの解析:NT5株が分解・資化可能な多糖類を把握する。 【課題Ⅱ】遺伝子工学的アプローチによる解析:NT5株の多糖類分解・資化に寄与する推定遺伝子の機能同定と遺伝子工学的改良(アルギン酸とペクチン質を最優先)。 【課題Ⅲ】in vitro 単糖生産システムの最適化:課題Ⅱで得たリコンビナント酵素(改良型を含む)を用いて原料多糖類から単糖生産の反応組成や各種条件を最適化。
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研究成果の概要 |
天然多糖類を原料とするバイオエタノールの実用的生産系の基盤構築を目指すにあたり、我々が独自に単離した新規細菌NT5株の多糖類分解特性、および保有する推定の多糖類分解酵素の機能同定を行った。NT5株はアルギン酸資化能を指標に単離された新規細菌であるが、アルギン酸以外にもペクチンを含む複数の天然多糖類に対して強い資化性を有すること、アルギン酸とペクチン酸の推定の分解酵素の遺伝子について、8種中6種を機能同定することに成功した。アルギン酸分解酵素では、エンド型とエキソ型の両触媒様式を有するユニークな酵素を見出し、今後の発展的応用化に期待が持てる成果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然多糖類からの有用単糖の生産において、NT5株が保有する酵素群が高い潜在性を持つことが示された。本研究におけるこの成果は、単糖生産の高効率化に直結することから、バイオエタノールの実用的な生産系の基盤となり得るものであり、化石燃料への依存度の低下・クリーンエネルギーの割合増加の実現に向けた重要な位置づけにあると言える。また、NT5株が保有するユニークなアルギン酸分解酵素の発見は学術的に極めて興味深いものであり、エンド型/エキソ型の触媒様式をもたらす分子機構の解明につながると考えられる。
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