研究課題/領域番号 |
20K05837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
牧 正敏 名古屋大学, 生命農学研究科, 特任教授 (40183610)
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研究分担者 |
高原 照直 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (90708059)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | カルシウム / リソソーム / ESCRT / IST1 / 膜損傷 / 近接依存性標識法 / ALIX / ALG-2 / LC-MS/MS解析 / LC-MS/MS 解析 / カルシウム結合蛋白質 / 膜修復 / カルシウム応答 |
研究開始時の研究の概要 |
リソソームは細胞内消化を担う細胞小器官である。細胞質Ca2+濃度は約100 nMに抑えられているが、リソソーム膜の裂孔(リソソーム損傷)に伴い、内腔からCa2+が漏洩し、カルシウム結合蛋白質ALG-2はそれを感知することで重要な役割を果たしていることが予想される。そこで本研究では、[課題1]ALG-2の損傷リソソームへの動員の生理的意義を解明する。また、[課題2]ALG-2依存的にリソソーム損傷部位に動員される分子を網羅的に同定する。
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研究成果の概要 |
リソソームは細胞内消化を担う膜で覆われた細胞小器官であるが、食飲作用で取り込まれた結晶物や病原体、ある種の脂質などによってその限界膜は裂孔する。この膜損傷は迅速に修復されるか、自食作用によって除去される。本研究では、膜損傷に伴いリソソームから放出されるCa2+に応答するALG-2に着目し、その損傷動員の分子機構を解析した。その結果、ALG-2の損傷リソソームへの動員にはCa2+とALG-2結合蛋白質であるALIXが必要であった。また、IST1をALG-2近傍蛋白質として同定し、IST1が損傷リソソームへのVPS4の動員と損傷リソソームの自食作用による除去に必要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Ca2+結合蛋白質ALG-2の損傷リソソームへの動員機構を明らかにした。一方で、ALG-2ノックアウト細胞を用いた解析から、ALG-2以外のCa2+結合蛋白質のリソソーム損傷応答への関与の可能性が浮き彫りとなった。これは、リソソーム損傷を起点とするCa2+シグナル伝達機構の全容解明につながると考えられる。また、リソソーム損傷を誘発した細胞のALG-2近傍蛋白質の探索からリソソーム損傷に応答しリソソームに動員される蛋白質が複数同定された。これらの生理機能を解析することで、リソソーム損傷応答の分子基盤解明とリソソーム損傷に起因する疾患の病態解明につながることが期待される。
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