研究課題/領域番号 |
20K05838
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
奥 公秀 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 准教授 (10511230)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脂肪滴 / オートファジー / 酵母 / メタノール資化性 / バイオディーゼル / メタノール資化性酵母 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪滴は、細胞内の中性脂質を貯蔵する主要な場所であり、その異常蓄積が私たちの疾患に関わる一方で、植物においてはバイオディーゼルの原料(油脂)を蓄積する場でもあることから、医・農・工学全分野に共通して重要な研究対象です。脂肪滴の量がどうやって制御されるか、という問いに対して、これまで中性脂質の合成・分解酵素を中心に研究が盛んに行われてきました。また、細胞内リサイクリングを担うオートファジーが脂肪滴の増減に関わるということも分かりつつあります。この研究課題では脂肪滴の量の制御の仕組みを、複数種の酵母を対象に研究し、その知見をバイオディーゼル生産時の副産物の利用にもつなげることを目指しています。
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研究成果の概要 |
本研究成果として、まず出芽酵母Saccharomyces cerevisiae 脂肪滴局在タンパク質がステロール合成を制御する分子機構が見出された。具体的には、脂肪滴に局在するタンパク質がステロール合成酵素の細胞内局在を規定すること、またそれにより細胞内ステロール量の維持に働くことを見出した。また、メタノール資化性酵母 Komagataella phaffii が脂肪滴を蓄積するグリセロール培養条件において、メタノールの添加に応じてメタノール資化能も保持する株選抜に成功した。選抜株において、2つの転写因子をコードする遺伝子への変異を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における発見により、脂肪滴の新たな生理機能が明らかになってきた、すなわち、脂肪滴に局在するタンパク質が小胞体で機能するステロール合成酵素の局在を制御し、結果としてステロール合成能に影響を及ぼすことが分かり、新たなステロール合成制御システムとして機能するという知見が得られた。 本研究成果のもう1つの意義は、メタノール資化性酵母Komagataella phaffii の新たな方向性での育種を提案したことである。これまで本酵母に関してはタンパク質生産能の向上を目的とした遺伝子改変が多く行われてきたが、本研究では、本酵母のバイオディーゼル廃液の複数成分の同時代謝を可能とするような育種に成功した。
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