研究課題/領域番号 |
20K05839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上西 達也 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10391921)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | オートファジー / Rubicon / 小分子化合物 / X線結晶構造解析 / 立体構造解析 / 薬剤開発 / 化合物アレイ / タンパク質間相互作用 / 阻害剤 / タンパク質複合体 / 構造解析 / クライオ電子顕微鏡法 / 肝障害 / 寿命延伸 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物に共通して見られるオートファジーは、細胞が飢餓時にエネルギー源確保のために行う自己消化作用だけでなく、通常時に不要物を分解する自己浄化作用としても働く。近年の研究で、高等生物の数少ないオートファジー抑制因子であるRubiconの働きを抑えると、肝障害や老化現象を軽減できる可能性が示された。我々はRubiconに結合する化合物を独自のスクリーニング法により同定し、この小分子がRubiconの働きを阻害することでオートファジーを促進することを見出している。本研究では、Rubiconの機能発現機構ならびにその新規阻害剤の作用機序を、X線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡法により明らかにする。
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研究成果の概要 |
Rubicon相同ドメインに直接結合してオートファジー活性を上昇させる小分子化合物を同定し、両者の共結晶構造を解明したところ、化合物に帰属できる電子密度がRubicon表面のポケット内に認められた。現在は、当該のポケットを形成するRubiconのアミノ酸残基に変異を導入した細胞を用い、化合物の存在下におけるオートファジー活性を検証している。また、インタラクトーム解析で得られたCa2+結合膜タンパク質とRubiconが実際に共沈することを確認した。この相互作用には、RubiconのC末端の比較的広い領域、Ca2+結合膜タンパク質の細胞質領域のC末端ドメインが重要であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
種々の疾患に対抗する手段としてオートファジー活性の増進が期待される中で、Rubiconは哺乳類のオートファジーを負に制御する数少ない因子であり、その機能を阻害する薬剤開発の絶好のターゲットである。実際に、Rubiconの発現上昇によるオートファジー機能の低下が肝障害を引き起こすことや、加齢に伴い増加するRubiconを抑えるとオートファジーが活発化し、モデル生物の老化現象が改善するだけでなく寿命が伸びることが明らかになってきている。したがって、本研究で得られたRubiconを標的としてオートファジー促進効果を持つ小分子化合物は、世界に先駆けた薬剤の開発につながる可能性を秘めている。
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