研究課題/領域番号 |
20K05841
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 摂南大学 (2022-2023) 徳島大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
湯浅 恵造 摂南大学, 理工学部, 教授 (70363132)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ナトリウム利尿ペプチド受容体 / 結合タンパク質 / リガンドー受容体 / オステオクリン |
研究開始時の研究の概要 |
ナトリウム利尿ペプチド受容体の一つであるNPR-Cは、一般的にはナトリウム利尿ペプチドの血中クリアランスに関与するとされているが、それ以外の機能も担うことが示唆されている。本研究では、NPR-Cとその結合タンパク質間相互作用の生理的意義を明らかにすることにより、NPR-Cによって引き起こされる新たな細胞内情報伝達経路を解明するとともに、NPR-Cに選択的なペプチドリガンドであるosteocrinのアンタゴニスト以外の機能を見出すことを第一の目的とする。併せて、NPR-Cのアゴニスト及びアンタゴニストを探索し、その機能を実証することにより、新たな高付加価値素材の創出を行う。
|
研究実績の概要 |
ナトリウム利尿ペプチド受容体の一つであるNPR-Cは、血中ナトリウム利尿ペプチドのクリアランスに関わることが広く知られているが、他の機能も有することが示されている。NPR-Cのクリアランス以外の機能を明らかにするために、NPR-Cと相互作用するタンパク質の探索を行い、結合タンパク質としてGEF-H1とBZW2(basic leucine zipper and W2 domains 2)を同定した。NPR-CとBZW2の相互作用解析を行った結果、NPR-CはBZW2と特異的に結合し、BZW2と高いアミノ酸ホモロジー(identity 約72%、similarity 約97%)を示すBZW1とは結合しなかった。BZW1とBZW2の細胞内局在の違いが相互作用に影響していることが考えられたため、両者の細胞内局在を調べた。しかしながら、両者とも細胞質および細胞膜周辺に局在することが示され、NPR-Cとの相互作用の違いは細胞内局在の違いによるものではないことが考えられた。そこで次に、いくつかのBZW2欠損変異体を作製し、NPR-Cとの相互作用に関わる領域の探索を行った。その結果、BZWファミリーの共通ドメインであるN末端のbZIPドメインとC末端のW2ドメインの間にある比較的アミノ酸ホモロジーが低い領域が相互作用に関わることが推測された。 また、NPR-Cの特異的なリガンドであるオステオクリン処理によって、BZW2はNPR-Cから解離することを見出したため、BZW2と相互作用するタンパク質を探索したところ、核膜及び小胞体膜に局在する膜タンパク質TMEM43(transmembrane protein 43)を同定した。現在、NPR-Cとの結合・解離がBZW2の機能にどのような影響を及ぼすのか検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NPR-CとBZW2の相互作用に関しては解析ができており、NPR-Cの機能解明の基盤となるデータが得られつつある。一方、NPR-Cとの結合・解離がBZW2の機能にどのような影響を及ぼすのか解析が進んでおらず、総合的に判断して、やや遅れていると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
NPR-Cとの結合・解離がBZW2の機能にどのような影響を及ぼすのか検討する。併せてTMEM43との関連性についても検討する。 得られた研究成果を、NPR-Cのアンタゴニストとして考えられているオステオクリンの新たな機能の解明に繋げ、高付加価値ペプチドの創出を行う。
|