研究課題/領域番号 |
20K05846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
武田 穣 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40247507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 有鞘細菌 / 構造形成多糖 / チオペプチドグリカンリアーゼ / ヒアルロン酸リアーゼ / Sphaerotilus montanus / マイクロチューブ / アセチル化 / 多様性 / 微細造形 / 多糖 |
研究開始時の研究の概要 |
有鞘細菌は、糸状に連なった細胞列を包み込むマイクロチューブ(鞘)を形成する特徴を持つ細菌である。そして、それらの鞘は多数の細胞の連携によって細胞外で形成される秩序だった微細構造体である。鞘は末端で伸長するものと全域で伸長するものの二種類に大別できる。本研究では、積層造形方式の3Dプリンターのように末端で伸長する鞘を持つSphaerotilus属を主な研究対象とする。そして、鞘の形成(鞘形成高分子の不溶化)への細胞外酵素の関与を想定しつつ鞘形成機構の解明を目指す。得られる知見は、生物模倣による新規な微細立体造形技術の確立への素地となると期待される。
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研究成果の概要 |
細胞外にマイクロチューブを形成する水生細菌から、多糖系高分子による新たな微細造形技術の発想を得るべく研究を行った。主たる研究対象としたのは末端で伸びる種類の(積層造形型の)マイクロチューブである。従来、この種類のマイクロチューブは糖とアミノ酸からなると考えられていたが、糖質のみでの造形も可能であることを新たに見出した。また、造形には陰性と陽性の電荷の均衡が成り立つ必要のあることが示唆された。また、マイクロチューブ分解酵素の他に類を見ない特異性を示すことを確かめた。さらに、これまで知られていなかった微好気性のマイクロチューブ形成細菌を排水処理施設から発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、細菌による菌体外でのマイクロチューブを形成に関して研究を行い、下記の学術的成果を得た。すわなち、マイクロチューブ形成には高分子間の静電的相互作用が重要であることを明らかにした。また、マイクロチューブ分解酵素が新しい種類の酵素である可能性を示した。さらに、新規な有鞘細菌を発見した。そして、下記のような波及効果が期待される。マイクロチューブ形成細菌は排水処理の根幹を成す活性汚泥の沈降性悪化との関連が知られており、マイクロチューブ形成機構の理解は対処法を立案にあたって有意義である。ナノテクノロジーの分野では、水中での微細造形手法の開発に展開できる可能性がある。
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