研究課題/領域番号 |
20K05847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
櫻井 明彦 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40283163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | カバノアナタケ / DBL / 抗糖化 / 抗酸化 / AGEs / 生理活性物質 / 生物活性物質 / 寿命延長 / 脂肪蓄積抑制 / 抗糖化物質 / 抗酸化物質 |
研究開始時の研究の概要 |
耐寒性の白色腐朽菌であるカバノアナタケは、抗腫瘍や抗酸化などの薬理活性を示すことが知られている。しかし、近年注目されている抗糖化活性については、これまで報告されていない。本研究ではカバノアナタケが生産する抗糖化成分の化学構造および生物活性の特性を明らかにすること、さらに抗糖化成分の生産に最適な培養方法を開発することを目的として検討を進める。
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研究実績の概要 |
カバノアナタケの天然菌核には様々な生理活性物質が含まれているが、天然菌核は存在量が少なく、また人工培養による生理活性物質の生産技術が確立していないため、カバノアナタケは一般には普及していない。本研究ではカバノアナタケ菌糸体の液体表面培養による生理活性物質の生産を検討し、その性質を解析した。 培養菌糸体に含まれている3,4-dihydroxybenzalacetone(DBL)の生理活性を詳細に解析したところ、抗酸化活性についてはコーヒー酸と同程度の高い値であった。また、リボースーBSA系において抗糖化活性を測定したところ、DBLはコーヒー酸の3倍、アミノグアニジンの3.5倍程度の高い値を示した。さらにカバノアナタケの菌糸体にはDBL以外の抗糖化成分が含まれている可能性が示唆された。 次にモデル生物として線虫を用いて生物活性を測定したところ、DBLは糖の投与による蛍光性AGEsの生成を濃度依存的に抑制することが明らかとなった。また、DBLを含むカバノアナタケの抽出物についても蛍光性AGEsの生成抑制がみられた。現在、DBLの投与による糖化の抑制効果と寿命との関係について解析しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍及び実験装置の故障により実験が継続できない期間があったため。
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今後の研究の推進方策 |
カバノアナタケの生理活性物質の基本的な性質を明らかになったことから、生物に対する影響(寿命など)を遺伝子レベルで解析する予定である。
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