研究課題/領域番号 |
20K05852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
佐藤 正資 香川大学, 農学部, 教授 (20263890)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 希少糖 / 抗線虫薬 / Caenorhabditis elegans / デオキシ糖 / 成長阻害 / 線虫 / 作用メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
人や家畜の寄生線虫症 治療薬(抗線虫薬)に対する薬剤耐性虫の出現が深刻な問題となっている。そのため,従来の抗線虫薬とは全く異なる作用メカニズムを持つ薬剤の開発が望まれている。申請者は,デオキシ希少糖 1-deoxy-D-allulose (1d-Alu) が線虫C. elegansの成長を強く阻害することを報告した。この知見から,1d-Alu は単糖を基本骨格として,糖代謝系に阻害ポイントを持つ抗線虫薬(あるいはリード化合物)となるとの着想を得た。本研究では,生物有機化学,生化学の手法を用いて1d-Alu の作用メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
我々は,デオキシ希少糖 1-deoxy-D-allulose (1d-Alu) が線虫Caenorhabditis elegansの成長を強く阻害することを報告し,1d-Alu が糖代謝に阻害ポイントを持つ抗線虫薬となるとの着想を得た。本研究では,1d-Alu の作用メカニズムを明らかにすることを目的とした。 まず,1d-Aluの合成を行い,1d-Alu処理線虫抽出物のHPLC分析を行った。その結果,1d-Alu は線虫体内に取り込まれており,6-リン酸化物と推定されるピークが検出された。以上から,1d-Aluの生物活性は,その代謝産物による糖代謝阻害によって起きると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物活性をもつ希少糖が生体内でどのように代謝され,どのように働くのかについて,現在までほとんど知見がない。糖代謝経路は,原核生物からヒトまで広く遺伝的に保存されているため,人畜への毒性が懸念され,薬剤ターゲットとは考えられてこなかった。しかし,本研究により,糖の取り込みや解糖系をターゲットとした新奇な作用メカニズムをもつ抗線虫薬の開発が実現できれば,熱帯医学,獣医学分野への学術的,社会的な意義が大きいと考えられる。
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