研究課題/領域番号 |
20K05853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
鮒 信学 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (70361574)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルカロイド / 大腸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
scopolamineは、ベラドンナやヒヨスなどが生産するトロパンアルカロイドであり、副交感神経系の抑制効果があるため、市販薬として用いられている。しかしながら、tropinoneの生合成が長らく不明であったため、異種生産系が確立されておらず、現在でも植物や植物培養細胞からの抽出に頼っている。そのためコストが高く、潜在的な用途が多種あるのにも関わらず、利用が限られている。我々は、tropinoneの真の生合成を解明し、tropinoneからscopolamineまでの生合成を再設計することにより、scopolamineの微生物生産を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、トロパンアルカロイドの生合成経路を大腸菌において再構築することを目的にしている。我々は、トロピノンの生合成に関与するIII型ポリケタイド合成酵素(III型PKS)、 CHSBが3-oxoglutaric acid (3-OG)の合成を触媒することを見いだした。また、3-OGの閉環反応に必須であるP-450酵素の可溶化を大腸菌宿主において成功した。CHSBとP-450の共発現により、大腸菌におけるトロパンアルカロイドの生産に成功した。また、また、スコポラミンの生産のために人工生合成経路を設計し、その鍵経路であるトロパ酸のCoAエステル化を触媒する酵素を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒヨスチアミンは、ベラドンナやヒヨスなどが生産するトロパンアルカロイドであり、副交感神経系の抑制効果があるため、胃腸鎮痛鎮痙薬などとして市販されている。しかしながら、トロピノンの生合成が長らく不明であったため、大腸菌での生産系が確立されておらず、現在でも植物や植物培養細胞からの抽出に頼っている。そのためコストが高く、潜在的な用途が多種あるのにも関わらず利用が限られている。本研究の成功は、ヒヨスチアミンやアトロピン、それらの類縁体の安価大量生産系の構築につながる。本研究で生産した3β-ヒヨスチアミンは、単離例が少なく未知であるが、抗アセチルコリン活性がある。
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