研究課題/領域番号 |
20K05856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
渥美 園子 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (30260136)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | EGFRvIII / EFDR-ADC / Ertredin / 飲作用 / EGFRvIII / CD44 / CD133 / がん幹細胞 / スフェロイド / たんぱく抑制 / プロテインノックダウン化合物 / E3ユビキチンリガーゼ / PROTAC / E3リガーゼモジュレーター / SNIPER |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内には不要なタンパクに 目印の“ユビキチン”をつけて、消失させる分解系がある。“プロテインノックダウン(PKO)化合物”はその酵素をハイジャックして、通常とは異なるタンパクをユビキチン化する。薬剤の標的とするのが困難な“アンドラッガブルタンパク(udPs)”が存在し、がん治療の大きな障壁となってきた。PKO化合物を利用すればudPsのユビキチン化・分解も可能と考えられている。応募者らが見いだした低分子化合物“Ertredin”はPKO化合物として働き、がん化を抑制する可能性がある。本研究課題ではErtredinの標的分子を特定し、udPsを分解する新しいPKO化合物開発を目指す。
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研究成果の概要 |
脳腫瘍細胞において、添加後がんタンパクEGFRvIIIの減少が見られたが、Ertredinには予想されたモデユレーター活性は観察されなかった。ErtredinはEGFRvIIIおよびEGFRwtのセリン残基をリン酸化し、膜から細胞質への移動を誘導すること(非定型的飲作用)が明らかになった。また作用機構としてAMPKを介したp38MAPKの活性化が示唆された。EGFRvIII導入脳腫瘍細胞において、高い非定型的飲作用誘導活性を有する類縁体の7MeErtredin はEGFRを標的とする抗体薬物複合体(EGFR-ADC)の活性促進効果を示し、EGFR-ADCの取り込みも増加させると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HER(ヒト上皮成長因子受容体)を過剰発現したがんを標的としてHER2のADCが開発、承認されている。一方、EGFR(HER1)はEGFとの結合後細胞内に取り込まれるが(定型的飲作用)、抗体結合がこれを抑制しADCが細胞内に取り込まれないことが課題である。今回Ertredinおよび7MeErtredinがEGFRvIIIおよびEGFRwtの非定型的飲作用を誘導すし、EGFRvIII発現脳腫瘍においてEGFR―ADC活性を促進することを明らかにした。非定型的飲作用がEGFR―ADCの細胞内取り込みを誘導し、その活性促進に利用でき、今後のがん治療への応用が期待されることを示した。
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