研究課題/領域番号 |
20K05861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 富山県立大学 (2021-2022) 筑波大学 (2020) |
研究代表者 |
山口 拓也 富山県立大学, 工学部, 助教 (00748527)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ビワ / ニトロ基合成酵素 / シトクロムP450 / 脂肪酸水酸化酵素 / CYP94A / 植物特化代謝物 / ウメ / ニトロ化合物 / プロミスキュイティ / 2次代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
植物が生合成する二次代謝産物は莫大な構造多様性を有している化合物群である。しかしニトロ基を含む天然物は非常に少なく、植物のニトロ基合成酵素は未解明であった。ビワの花から見出した新規シトクロムP450 (CYP-NO2) はフェニルアセトアルドキシムを(2-ニトロエチル)ベンゼンに変換する新規ニトロ基合成酵素である。だが、CYP-NO2オルソログは双子葉植物に広く保存されており、脂肪酸ω水酸化酵素として知られていた。そこで本研究では、CYP-NO2とビワ以外の植物由来CYP-NO2の脂肪酸ω水酸化活性とニトロ基合成活性を検出し、さらにCYP-NO2の基質認識に関与する構造を解明する。
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研究成果の概要 |
植物は多種多様な植物特化代謝物を生合成するが、ニトロ基を含む化合物は極めて少ない。我々が植物(ビワ)から見出した新規ニトロ基合成酵素CYP94Aは植物に広く分布し、脂肪酸水酸化活性も示すことが示唆された。そこで本研究では、様々な植物由来CYP94Aの機能解析を行った。これによって、ニトロ基合成反応を触媒する“promiscuous”な脂肪酸水酸化酵素CYP94Aが双子葉植物に広く保存されていること、CYP94Aはアルドキシムよりも脂肪酸に対して高い親和性を示すことを明らかにした。よって、アルドキシムが高濃度で蓄積する特殊な条件において、CYP94Aはニトロ基合成反応を触媒すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少な天然物の生合成酵素は、進化の過程で特定の反応を触媒するように最適化され、特定の種だけが有している場合が多い。しかし、本研究では植物に広く存在している酵素が特定の条件で本来の機能とは異なる酵素活性を発揮し、極めて珍しい化合物の生合成に関わることを示唆した。植物特化代謝物の多様化機構の新たな側面を提示した点で学術的意義がある。
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