研究課題/領域番号 |
20K05862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
筒井 歩 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (90531731)
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研究分担者 |
田代 充 明星大学, 理工学部, 教授 (40315750)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ポリアミン / スペルミジン / メチルグリオキサール / 糖化反応 / 糖化様反応 / カルボニルストレス / 生体内化学反応 / 終末糖化産物(AGES) |
研究開始時の研究の概要 |
ポリアミンは生体機能性物質として知られており、ほぼ全ての生物に存在する。さらに細胞内外に非常に高濃度で存在していることから、現在の研究はポリアミンの生物学的意義の解明に重点が置かれている。しかしポリアミンは化学反応を起こしやすい一級アミン化合物でもある。本研究は、ポリアミンが生体内で化学反応をして新たな化合物を生成することで、毒性物質の中和に寄与していることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
生体分子であるポリアミンが酸化ストレス物質のメチルグリオキサールを非酵素的に捕捉し、化学反応をすることでメチルグリオキサールの毒性軽減に寄与していることを示唆する結果を得た。即ち、スペルミジンとメチルグリオキサールが化学反応して生成する新規スペルミジン誘導体の構造を特定し、細胞内物質として同定した。この過程で、ポリアミン誘導体が水溶液中で分子間相互作用することを突き止め、このことに影響しない定量分析条件を確立した。また培地へのメチルグリオキサールの添加によって、スペルミジン誘導体の生成が細胞内で増加することも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで主に酵素反応しか注目されてこなかった生体反応において、ポリアミンとメチルグリオキサールが非酵素的に反応したと考えられる化合物を細胞内物質として同定したことの意義は大きい。この結果はポリアミンがメチルグリオキサールの解毒に関わっている可能性を示唆している。メチルグリオキサールは通常、グリオキサラーゼシステムによって代謝されて乳酸に分解され解毒化されている。しかし糖尿病などの病態下においてはメチルグリオキサール量の増加や、グリオキサラーゼシステムに必要不可欠なグルタチオンの産生に障害が出る希少病の報告もあることから、本研究結果がこれらの問題を解決する足掛かりとなるかもしれない。
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