研究課題/領域番号 |
20K05875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 龍谷大学 (2021-2022) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
桝田 哲哉 龍谷大学, 農学部, 教授 (80311744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | taste / sweet / atomic resolution / X-ray crystallography / 甘味 / pH変化 / 構造解析 / 甘味タンパク質 / 熱安定性 / pH / リシン残基 / 温度因子 / タンパク質 / 構造変化 / 耐熱性 / 甘味発現 / 苦味抑制 / 受容体複合体モデル |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質系甘味料であるソーマチンは強い甘味を呈すると共に、苦味抑制等の特有な機能を有するが、その甘味発現機構や味質改善機構は明らかとなっていない。ソーマチンと相同性の高い「ソーマチン様タンパク質」が植物に広く存在するが、その他多くの植物由来ソーマチン様タンパク質は、甘味や苦味抑制作用を示さず、食品素材としての利用は進んでいない。 本研究では、まず甘味発現に必須なアミノ酸側鎖のフレキシブルな構造を、生理的温度下かつ原子レベルで明らかにする。次に受容体複合体モデルを用いて、甘味性と耐熱性を高めるほか、苦味抑制の解明にも活用し、新規機能性タンパク質の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
ソーマチンは中性及び塩基性条件下で加熱を施すと急激に変性し甘味を消失するが、酸性条件下では、加熱処理に対して比較的安定であり、凝集体を形成せず、甘味が持続する。そこで酸性条件下における特徴的な構造要因を見出すため、X線結晶構造解析に供し原子レベルでの構造情報を得ることを試みた。また加熱変性温度(融解温度,Tm)を、示差走査蛍光光度法(DSF法)を用いて検討した。その結果pH 4.0では、全体的な構造は柔軟になるが、いくつかのリシン残基では、相対的な柔軟性が低下しており、このような相対的なリシン残基の柔軟性の低下が、熱凝集を防ぎ、甘味を維持する上で重要な役割を果たす可能性が提起された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子レベルでの構造解析により、ソーマチンの熱安定性や、熱凝集に寄与する構造要因を明らかにすることで、その他多くの食品タンパク質に対しても、構造安定性の強化や熱凝集性を抑制できる手法を構築し、新規植物由来の食品素材の開発に繋げたい。
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