研究課題/領域番号 |
20K05892
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
北原 兼文 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (30240922)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | サツマイモ澱粉 / 低温糊化澱粉 / 分級澱粉 / 分子構造 / 物理化学特性 / 澱粉利用 / 不均一性 / 生育期間 / サツマイモ低温糊化澱粉 |
研究開始時の研究の概要 |
従来のサツマイモ澱粉より糊化温度が約20℃低い澱粉が見出され、この低温糊化澱粉は耐老化性やゲル形成能に優れるなどの特殊性を持つ。また、低温糊化澱粉は、澱粉粒子のサイズや形状に明瞭なバラツキが認められ、これらの澱粉特性には粒子間の不均一性が示唆された。本研究では、粒子サイズにより分級した低温糊化澱粉の構造特性と利用特性を明らかにする。その成果は、澱粉粒子間の不均一性に関する澱粉科学の新知見が大いに期待され、また、粒子径を揃えた分級澱粉は澱粉特性が画一化されて優れた特性が際立ち、新たな澱粉素材としての提供が期待される。
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研究成果の概要 |
サツマイモ低温糊化澱粉から分級澱粉を調製し、それらの物理化学特性と利用特性を調べた。分級澱粉は、小粒子ほど糊化最高粘度と糊化熱の低下、アミロース含量の増大、アミロペクチンの超長鎖の減少と短鎖の増大などの変化が認められた。一方、主画分の中粒子の澱粉ゲルは、分級前より低い初期弾性率と高い破断前弾性率を示し、モチモチ感と歯切れの良いコシ感が高まることを見出した。また、低温糊化澱粉のうどん様茹で麺は、一般のサツマイモ澱粉の麺に比べて独特のコシ感のある食感を有し、さらに中粒子澱粉の麺は分級前より更にコシ感が増し、低温糊化澱粉の特徴が際立った高付加価値麺となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、サツマイモ低温糊化澱粉の粒径の不均一性に着目し、粒子サイズにより分級した澱粉の構造特性と利用特性を明らかにした。その結果、粒径と分子構造との間に関連性を明らかにする一方、約300倍の体積比となる粒子間に澱粉固有の構造特性が保持されていることも見出し、澱粉粒の成長過程に関する澱粉科学の基礎知見を得ることができた。また、食品産業利用においては、大粒子と小粒子が除かれた主画分の中粒子澱粉とすると、分級前より低温糊化澱粉の特有の物性が際立つことを明らかにし、高付加価値澱粉素材としての用途を提案することができた。
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