研究課題/領域番号 |
20K05894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
増田 修一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (40336657)
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研究分担者 |
島村 裕子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (60452025)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 化学物質 / 病原性細菌 / 黄色ブドウ球菌 / SEA / 炎症 / 複合暴露 |
研究開始時の研究の概要 |
化学物質が病原性細菌による感染症の発症リスクを増大させ、その結果としてヒト (宿主) に炎症応答を誘導し、様々な疾病を引き起こすことが示唆されているが、そのメカニズムは明らかになっていない。そこで、本研究では、食環境中に存在する化学物質が病原性細菌に及ぼす影響、また、化学物質により影響を受けた病原性細菌がヒトの免疫システムに及ぼす影響の両者について網羅的に解析する。さらに、in vitroおよびin vivoにおける黄色ブドウ球菌誘導性の炎症モデルを用いて、化学物質による毒性の変動を解析することにより、黄色ブドウ球菌が誘導する炎症発症リスクに対する化学物質の作用を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、黄色ブドウ球菌の病原因子発現に対する化学物質の影響およびヒトケラチノサイトの炎症関連遺伝子発現に対する化学物質とブドウ球菌毒素 (SEA) の複合暴露の影響について検討した。その結果、in vitro皮膚モデルおよびBHI培地において、黄色ブドウ球菌の増殖および病原因子発現を変動させる化学物質を明らかにした。さらに、SEAは、ヒト表皮角化細胞の炎症関連遺伝子の発現量を亢進させることを見出した。単独ではヒトに対して毒性が低い化学物質においても、SEAとの複合暴露により炎症が惹起される可能性がある。今後、これら両因子の複合暴露による炎症等毒性発現メカニズムを明らかにする必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学物質および細菌性毒素を原因とする様々な疾患が存在するが、化学物質が黄色ブドウ球菌などのヒト常在菌を介して宿主にどのように影響するのかは明らかになっていない。本研究の成果より、病原性細菌による感染時に化学物質に暴露された結果として、単独暴露とは異なる毒性や免疫応答を誘導する可能性があることが示唆された。本研究の成果および今後の更なる研究により、SEAとの複合暴露が皮膚における炎症誘導に及ぼす影響について明らかにすることで、新たなリスク評価およびSEAが誘導する各種疾病を予防するための新たな戦略構築が期待される。
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