研究課題/領域番号 |
20K05897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
中島 陽一 藤田医科大学, 医学部, 講師 (00367715)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 魚アレルギー / 経口免疫療法 / 食物アレルギー / 低アレルゲン化 |
研究開始時の研究の概要 |
食物アレルギーに対する治療である経口免疫療法は、有効であるが安全性の問題が解決されていない。より安全な治療をめざし、世界に先がけて独自の酵素処理で低アレルゲン化した魚肉粉末を開発した。魚アレルギー患者7名に使用し安全で有効な結果を得ている。この治療を用いた多施設共同ランダム化プラセボ比較試験を行い、安全で有効な魚アレルギー治療法であることを証明する。我々の治療法は、日々の予想外の副反応の危険を恐れながら経口免疫療法を行っている食物アレルギー患者にとって、患者・家族の負担を減らす画期的な方法である。また、アレルゲンの交差性からサケによる治療により、他の魚の摂取も可能となりうる。
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研究実績の概要 |
魚アレルギーは特定の魚だけに症状をきたす場合もあるが、複数の魚で症状が出る場合には、魚全般の除去を必要なことがある。魚の主要アレルゲンであるパルブアルブミンは魚肉の筋肉タンパク質であり、硬骨魚に共通に持っていることがその理由である。魚はビタミンDやDHA、EPAといった多価不飽和脂肪酸の供給源として重要であり、魚全般の除去をする場合には栄養素の不足による症状も心配される。食べられる魚を増やすことは、栄養面や魚をよく摂取するわが国で生活の質を改善させる意味でも重要と考えている。 食物アレルギーを治す治療としては、原因食物そのものを計画的に摂取し増量していき、食べられるようにすることを目指す経口免疫療法の有用性が国内外で報告されている。しかし、アレルギーがある食物を継続的に摂取していくため、治療継続中にアナフィラキシーを含む誘発症状を来すことがまれではなく、安全性の問題がある。我々は安全性の問題を解決するため、酵素処理でアレルゲン性を低下させた魚肉粉末を作製し、pilot studyで有効性と安全性が確認された。この結果をもとに魚アレルギー患者に対して低アレルゲン化魚肉粉末の用いた免疫療法を多施設共同ランダム化プラセボコントロール試験にて行い、有効性と安全性を証明することを目的に研究を行っている。 ランダム化プラセボ比較試験の最中のため、具体的な研究成果について研究期間が終了するまで公表はできない。 患者登録のためのサケの食物経口負荷試験はこれまでに26例行われた。エントリー基準を満たしたのは、14例であり、6か月の比較試験を終了したのが10例である。試験食の味の問題で患者が治療を継続できずに中止したのが2例あったが、副反応が原因ではなかった。 現時点で14例に治療を行い、味の問題で中止した2例を除き、大きな副反応はなく安全に治療を継続できている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19流行の影響で、患者の病院受診を控える傾向があることや、治療開始する前の経口食物負荷試験が通常通りに行えないなどのため、患者登録が増えてこない。魚の除去を続けていたが、負荷試験をしたら食べられるようになっていたことが確認された例も多々あるため、エントリーに入らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度もCOVID-19流行が継続しており、なかなか患者登録が進まなかった。患者登録を増やすために、これまで施設がなかった地域として、北海道、関西圏、沖縄での参加施設を増やす計画である。
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