研究課題/領域番号 |
20K05907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
白井 康仁 神戸大学, 農学研究科, 教授 (60263399)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ビタミンE / カテキン / 糖尿病 / 腎症 / プロテインキナーゼC / ジアシルグリセロールキナーゼ / パルミトイル化 / ラフト / DGキナーゼ / 糖尿病合併症 / エピガロカテキンがレート |
研究開始時の研究の概要 |
PKCの異常な活性化は糖尿病性腎症の増悪化の原因のひとつと考えられている。一方、ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、PKCを活性化するDGを代謝し間接的にPKCを抑制しうる。従って、このDGKを活性化することができれば糖尿病性腎症が改善あるいは予防できると期待される。そこで、本研究ではビタミンE(VtE)やカテキンの1種であるエピガロカテキンガレート(EGCg)に着目し、ヒト及びマウス糖尿病性腎症に対するVtE及びEGCgの効果並びにその作用機序を調べる。
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研究成果の概要 |
糖尿病性腎症の増悪化の原因のひとつにPKCの異常な活性化が挙げられる。一方、ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、PKC活性を間接的に抑制する酵素である。 従って、食品成分によりこのDGKを活性化することにより糖尿病性腎症を改善・予防することができると期待される。本研究では、ビタミンE類やカテキンの1種であるエピガロカテキンガレート(EGCg)が67kDaラミニン受容体(67LR)の異なるサイトに結合するものの、共に 67LRのパルミトイル化を誘導することにより、DGKalphaを活性化することによって糖尿病性腎症を改善することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、本研究によりトコフェロールやトコトリエノール等のビタミンE類やエピガロカテキンガレートに加えて、ナリンゲニンが67LRを介してDGKalphaを活性化することを見出した。このことは、これらが糖尿病性腎症を予防あるいは改善できる機能性食品成分になりえることを強く示唆していた。本研究ではヒトへの効果まで検証できなかったが、実際、EGCgはヒトの糖尿病性腎症に効果があるとの論文が発表されている。また、本研究ではビタミンEの受容体として67LRが機能している可能性を見出した。これらの発見は、ビタミンEの抗酸化能以外の機能解明に大きな一石を投じると確信している。
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