研究課題/領域番号 |
20K05913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
熊澤 義之 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (90833054)
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研究分担者 |
時下 進一 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (60266898)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酵素 / ラッカーゼ / チロシナーゼ / 架橋高分子化 / 食品物性 / 食品タンパク質 / 酸化修飾 / 架橋重合 / 酸化還元酵素 / 機能改質 |
研究開始時の研究の概要 |
物性などの食品素材の特性を改質する技術の一つとして、酵素反応を利用した改質技術が挙げられる。その代表的な酵素の一つであるトランスグルタミナーゼ(TG)は、タンパク質間の架橋を形成し、物性改質を可能とする現在実用化されている唯一の架橋酵素である。本研究の目的は、TG以外の架橋酵素として酸化反応を触媒する酵素類(酸化還元酵素)に着目し、食品タンパク質との反応性や機能改質の詳細を検討することである。得られる結果により、TGに加えて、更なる食品素材の改質技術の拡充と新素材創出への活用展開を目指すものである。
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研究成果の概要 |
ラッカーゼ(Lac)及びチロシナーゼ(Ty)の特性評価と食品タンパク質の機能改質検討を試みた。好熱菌及び好冷菌Lacの組換え酵素、またイカ墨Tyの酵母による発現系を構築した。得られた酵素の特性評価を行い、好冷菌Lacやイカ墨Tyでは低温での相対活性が高いこと、いずれの酵素でも低分子フェノール(メディエータ)存在下でタンパク質の架橋高分子化を起こし、メディエータ種によって架橋形成が異なること等が分かった。また、架橋構造物にチロシン二量体が含まれることが分かった。酵素処理により卵白の加熱ゲル物性、乳の酸性ゲルの保水性が増加した。また、ヨーグルトのかたさ低下やチーズカードの収率向上が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加工食品の原料としての食品タンパク質には、ゲル形成性、乳化性、保水性、起泡性等様々な機能特性があり、食品の製造工程や製品品質に大きな影響を与える要因となっている。多様化する現代社会においては、食に求めるニーズもまた多様化しており、それに応えるために様々な原料素材や技術が研究開発されている。機能改質の手段の一つとして、酵素的改質技術が知られているが、上述した特性改質を可能とする酵素として、トランスグルタミナーゼ(TG)が挙げられる。本研究は、TGに加えた新たな機能改質技術の検討であり、多様化する食のニーズやおいしさの提供に資するものである。
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