研究課題/領域番号 |
20K05919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
中村 彰宏 茨城大学, 農学部, 教授 (00803735)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 食品 / 植物資源 / 多糖類 / 安定剤 / 乳化剤 / 構造解析 / 未利用資源 / 品質評価 / 植物 / 水溶性多糖類 / 構造 / メチルエステル / 資源 / 機構解析 / 機能剤 / 豆類 |
研究開始時の研究の概要 |
植物細胞壁を構成するペクチンや寒天などの多糖類は、増粘やゲル化などの特性を示すことから、食品の食感、品質、保存性を向上する添加剤として利用される。多糖類の物性や機能は構造に由来するが、構造、物性、機能の相関を包括的に研究した報告はこれまでになかった。我々は大豆多糖類を開発し、構造の解明、構造と食品の物性機能の相関解析を試み、多くの成果を上げてきた。本研究では大豆多糖類の研究成果を生かし、様々な植物資源から多糖類を抽出し、構造と物性、食品における機能との相関解析に取り組み、構造と機能の相関体系図を完成する。更に未利用植物資源から多糖類機能剤を創出し食品産業界に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
植物資源としてマメ類に関し、栄養成分を分離した未利用資源を原料に、弱アルカリ性条件下で加圧抽出することで高分子の多糖類を効率よく抽出できることを見出した。走査型プローブ顕微鏡で解析したマメ類多糖類は、いずれも多分岐構造を持っていた。レンズマメ、インゲンマメ、およびエンドウの多糖類はドリンクヨーグルトの分散安定剤としての機能を有し、構成糖であるガラクツロン酸のメチルエステル基の分解により、機能が向上することを発見した。3年の研究により当初計画していた (1)未利用資源の高度利用、(2)多糖類の分子構造と機能性の相関解析、(3)新たな食品用の機能性素材の創出について一定の成果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、農産資源から食素材を製造する過程で副生する未利用資源を原料として多糖類機能剤を創出するプロセスが確立される。また、未利用資源を単に食資源として活用するに留まらず、少量で食品の物性と品質保持に有効な高付加価値素材を創出することで、食資源のアップサイクルに貢献する。また、多糖類機能剤の構造、物性、食品における機能性に関するデータベースを構築することで、「多糖類の構造」と「食品での用途」が直結となり、これまで長い間「職人技」であった多糖類を用いた食品の設計が、科学的根拠に基づいて実践できるようになる。
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