研究課題/領域番号 |
20K05920
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 一般財団法人脳神経疾患研究所 (2021-2022) 東京農工大学 (2020) |
研究代表者 |
五十嵐 美樹 一般財団法人脳神経疾患研究所, 先端医療研究センター, 研究員 (70340172)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 脂肪酸エタノールアミド / 食行動 / 腸 / 肥満 / 食欲 / オレオイルエタノールアミド / オレイン酸 / 腸管 / 摂食行動 / 腸内細菌 / 食嗜好 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管に存在する栄養素センサーが栄養素を感知すると、シグナル伝達経路が活性化されて代謝や摂食を調節するためのホルモン分泌や神経活性が起こる。関連するシグナルの一つとして脂肪酸エタノールアミド情報伝達系が挙げられ、栄養素を感知するとそれらのシグナルが絶妙に変動して食欲を調節する。複雑な神経系を持つ腸管ではそれらのシグナルを介して、食欲だけでなく、食嗜好や食依存といったこれまで中枢の機能とされていた高度な食行動の調節に主体的に関わっている可能性がある。そこで本研究では、脂肪酸エタノールアミドシグナルに起因する食嗜好や食依存を含めた食行動調節機構について動物モデルや分析技術を駆使して明らかにする。
|
研究成果の概要 |
腸管の脂肪酸エタノールアミド(FAE)の食行動調節機構を明らかにするため、(1)腸管下部に寄生する腸内細菌由来のオレオイルエタノールアミド(OEA)による食欲調節、(2)肥満における腸管アナンダマイド(AEA)の変動とその制御機構、(3)腸管上部のFAEシグナルと食嗜好の関連性、の3テーマを設けて研究を行った。その結果、腸管下部に到達したオレイン酸(OA)から腸内細菌が生合成したOEAが受容体を介して食後の満足感を誘導している可能性を見出した。また、肥満の腸管ではAEAを含めたアラキドン酸代謝が亢進していた。さらに、腸管のAEAが増加している状態では嗜好性が変化することを確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸管が代謝や行動に影響を与える重要な器官であることがわかり、加えてそこに寄生する腸内細菌は宿主に影響を与える代謝物を生成することが明らかになってきている。肥満が世界的に増加しているため、その解決法や治療方法には社会的な関心があり、画期的な策を探す必要がある。過剰な栄養が蓄積することで起こる肥満を解決するためには、まずはエネルギー摂取を減らす必要があるが、上手に食欲を調節するのは難しい。腸管の食行動を調節する機能や代謝物について掘り下げ有意義な新規の知見を得た本研究は、学術的および社会的意義が高いと考える。
|