研究課題/領域番号 |
20K05925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中本 真理子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (40722533)
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研究分担者 |
大塚 礼 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 部長 (00532243)
西田 裕紀子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 副部長 (60393170)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 大豆 / 豆類 / 海馬 / 嗅内野 / 脳 / 中高年者 / 長期縦断疫学研究 / 栄養疫学 / イソフラボン / エストロゲン受容体 / 脳画像 / 大豆・イソフラボン / 縦断研究 / 地域住民 / エストロゲン受容体遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は1997年に開始したNILS-LSAの一環として実施され、無作為抽出された中高年者において、大豆製品・イソフラボン摂取が10年間の脳の形態学的変化に及ぼす影響を明らかにし、その影響が性や閉経状態によりどのように異なるか、その作用メカニズムとしてエストロゲン受容体遺伝子型がどのように関与するのかを明らかにする目的で実施する。 本研究は、1)追跡調査、2)解析・知見の公表という内容で構成される。蓄積済データおよび追跡調査データを用いて、性や閉経状態の違いを交えて脳の形態学的変化に大豆製品等の摂取がどのように影響するか、その作用メカニズムとしてエストロゲン受容体遺伝子型が関与するか検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は地域在住中高年者における食事を介した脳容積の低下予防を目的とし、国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)の第6-7次調査データ(2008-2012年)と本研究期間内に実施される追跡調査データから、大豆製品・イソフラボン摂取と脳容積との関連について検証するものである。食事量は3日間の食事記録調査から算出し、脳容積は頭部MRI3次元画像を用いて評価した。 本年度は昨年度に引き続き、1)6-7次調査データによる2時点の縦断解析と2)6,7,9次調査データ(2008-2022年)の3時点縦断解析に向けたデータスクリーニングを行った。1)2時点データを用いた縦断解析:一般線形モデル(調整要因:年齢、病歴、喫煙、飲酒、身体活動、教育歴、BMI、エネルギー摂取量)により、大豆製品及び大豆含有成分の摂取量4分位における海馬容積変化の調整平均値を算出した。男女ともに、大豆製品及び大豆含有成分と海馬容積変化と関連しなかった。2) 3時点データを用いた縦断解析:3時点の連結脳データの抽出が未完了であるため、一部のデータでの解析になるが、豆類の摂取量2群(低群・高群)と豆類と経過年数の交互作用項を含む混合モデル(調整要因:経過年数、性、年齢、病歴、喫煙、年収、飲酒、教育歴)を用いて、豆類の摂取量2群による海馬容積の推移を推定した。豆類の摂取量の違いが年数経過に伴う海馬容積の低下速度に影響し、豆類摂取低群に比べ高群で海馬容積の低下が緩やかであることを確認した(p for interaction <0.001)。 今後、3時点データの脳データの抽出を引き続き行い、全抽出データを用いた縦断解析によって豆類、大豆製品、イソフラボンの摂取が記憶関連脳容積の変化に与える影響を検討する必要があるが、豆類の摂取は海馬容積の変化に影響する可能性があることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で遅延していた追跡調査が2021年度中に終了したものの、6,7,9次調査データの3時点縦断解析に必要な脳の縦断データの抽出作業の完了までに時間がかかり、計画していた縦断解析の一部を実施できていない。しかし、実施できた縦断解析により、豆類の摂取量の違いが年数経過に伴う海馬容積の低下速度に影響し、豆類摂取低群に比べ高群で海馬容積の低下が緩やかであることを明らかにした。研究分担者、研究協力者との連携を図り、追跡調査データを用いた縦断解析の実施に向けて準備を進めている。以上の理由により、本研究はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、3時点データを用いた縦断解析に必要な6,7,9次調査で収集された脳データの連結および抽出作業を進める。2年間の脳容積の変化は、個人差等による誤差が非常に大きく、十分な解析結果が得られなかったため、6,7,9次調査で収集された脳データが準備でき次第、さらなる縦断解析を実施できるように進める予定である。
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