研究課題/領域番号 |
20K05926
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井倉 則之 九州大学, 農学研究院, 教授 (30260722)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | エマルション / フレーバー / テクスチャー / ゲル / 粘度 / 食品 / 香気 / 物性 |
研究開始時の研究の概要 |
エマルションは連続相中に異なる極性を有している液滴が分散した系となっていることから、それらに親水性成分と親油性成分のいずれをも内在させることが可能である。そのため、エマルションからの内在成分のリリース挙動は単純な系とは異なることが知られている。また、このようなエマルションの連続相あるいは連続相と分散相の界面をゲル化させることで、独特な物性を有したエマルションを作製可能となる。本申請では連続相だけではなく、連続相と分散相の界面に存在する乳化剤にもゲル化可能な成分を選択することで、独特な物性ならびに内在成分の維持能を有した新規エマルション食品の作製を目的とする。
|
研究成果の概要 |
水中油滴型エマルションの連続相あるいは分散相に多糖類やタンパク質などの増粘剤(ゲル化剤)を入れた時のエマルションの物性及び構造とエマルションからの香気成分放出挙動について調査を行った。その結果、キサンタンガムあるいはアラビアガム添加による粘度増加およびそれら増粘剤の構造が香気成分の放出挙動に及ぼすこと、その香気成分の構造も放出挙動に影響を及ぼしていること、分散相粘度を変えることにより物性を大きく変化させず香気成分放出挙動を変化させうることを明らかにした。また大豆タンパク質あるいは由来の異なるデンプンを寒天エマルションゲルに添加することにより、食感の異なる食品の開発が可能となることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は新規食品の開発に大きく寄与すると考えている。特に、エマルションの連続相だけでなく分散相の物性を変えることで、フレーバーの放出挙動が変化させうることからより風味の高い食品の開発に寄与すると考えている。また放出挙動はエマルション成分だけでなく、内在成分の構造にも寄与していたことから、添加物の組み合わせによって、内在成分の放出挙動を制御することが可能となることを示している。これにより、放出時間の制御が可能になれば、エマルションを利用したDrug Delivery Systemにも応用可能になるのではないかと期待している。
|