研究課題/領域番号 |
20K05929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
古澤 之裕 富山県立大学, 工学部, 准教授 (80632306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 食物繊維 / 腸内細菌 / 短鎖脂肪酸 / 制御性T細胞 / 炎症性腸疾患 / 大腸炎 / 難消化性多糖類 / 腸管免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではまず、短鎖脂肪酸の産生や短鎖脂肪酸産生菌の増加を介して、腸管のTregを誘導する難消化性多糖をスクリーニングする。次に、Treg誘導能を示した難消化性多糖が大腸炎モデルマウスの症状を改善するか検証する。また、マウスで効果が認められたものについては、ヒトのIBD発症予防への応用について検証するため、難消化性多糖を摂取する前後の健常人糞便における腸内細菌叢と短鎖脂肪酸濃度を調べる。
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研究成果の概要 |
本研究では、腸内環境を改善し腸炎の発症を予防する難消化性多糖の探索を行った。4種類の低粘性水溶性難消化性多糖のうち、発酵性の高い2つの難消化性多糖(アルファシクロデキストリンおよびイヌリン)が、腸管の酪酸産生とTreg誘導を促進し、マウスの実験的腸炎の発症を抑制した 。さらに、対象を穀物由来の高粘性難消化性多糖に拡大して検討を行った。オーツ麦に含まれる水溶性難消化性多糖であるβグルカン、および小麦由来水溶性難消化性多糖であるアラビノキシランは、腸管の酪酸産生菌を増加させるとともに、大腸粘膜固有層中のTregを増加させ、マウスの実験的腸炎の発症を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで一緒くたに考えられてきた水溶性難消化性多糖の保健作用について、腸内微小環境への影響の観点からメスをいれたものである。結果として、腸内細菌組成の変化、代謝物である短鎖脂肪酸の質的・量的変化、大腸制御性T細胞の割合の変化などは摂取する難消化性多糖の種類によって異なり、疾患予防に対する有効性も異なることが明らかとなった。本研究成果は、基礎栄養学としての難消化性多糖による腸内環境への影響の理解に留まらず、炎症性腸疾患の新たな予防戦略の開発に貢献するものである。
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