研究課題/領域番号 |
20K05939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松原 主典 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90254565)
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研究分担者 |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 抗老化 / アミロイド / トランスサイレチン / 腸 / 発酵食品 / 微生物 / 腸管分泌細胞 / 食品機能成分 |
研究開始時の研究の概要 |
老化の要因として,細胞や組織での不溶性タンパク質の沈着(アミロイド形成)が知られており,食品機能成分によるアミロイド形成の抑制は老化の進行抑制や加齢性疾患の予防に有効である。腸は脂肪組織や脳など多くの臓器と相互作用していることが明らかになってきているが,近年アミロイド形成の場としても注目されはじめている。本研究では,腸でのアミロイド形成が老化や加齢性疾患と関連していること,そして腸でのアミロイド形成を抑制する食品機能成分が老化の進行抑制に有効であることを明らかにする。なお,本研究ではアミロイド形成タンパク質の一つであるトランスサイレチン(TTR)を中心に研究を進める。
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研究成果の概要 |
不溶性タンパク質(アミロイド)の形成は老化や加齢に伴う疾患の原因であることから,アミロイド形成を抑制することは老化の進行抑制につながる。アミロイド形成タンパク質の1つであるトランスサイレチン(TTR)の安定化作用のある食品機能成分を老化促進マウスに経口投与することにより,腸での吸収時からTTRが安定化され,脳でのTTR沈着が減少するとともにミクログリアの活性化も抑制され脳機能が維持された。加齢に伴って増加する不溶性タンパク質は消化管の機能低下をもたらし老化を進行させるが,発酵食品および発酵微生物の経口投与も加齢に伴う消化管の変化および腸管内分泌細胞に対して保護効果を示すことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会となり,健康寿命の延伸は重要な課題となっている。健康寿命を延伸するには,脳や運動器の機能低下を抑えることが必要であり,食生活も大きな影響を与える。本研究では,加齢に伴って体内で増加する不溶性タンパク質の形成を抑える食品機能成分を経口摂取することにより,吸収の段階から原因タンパク質の安定化に関与し,結果的に脳機能保護効果をもたらすことを明らかにした。また,発酵食品や発酵微生物の摂取も加齢に伴って増加する不溶性タンパク質による腸の機能低下を抑え,有効的に働く可能性を明らかにした。
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