研究課題/領域番号 |
20K05944
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小玉 修嗣 東海大学, 理学部, 教授 (70360807)
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研究分担者 |
多賀 淳 近畿大学, 薬学部, 教授 (20247951)
會澤 宣一 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (60231099)
山本 敦 中部大学, 応用生物学部, 教授 (60360806)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光学異性体分析 / シクロデキストリン / ラセミ化 / エピ化 / フルクトース / HPLC / 異性化 / カテキン / エピカテキン / アブシジン酸 / 高速液体クロマトグラフィー / 光学異性体 / キラル化合物 / 還元糖 / マンデル酸 |
研究開始時の研究の概要 |
食品には多くの光学異性体(鏡像異性体ともいう)が存在する。一般に、2つの光学異性体間では異なる生理作用を示す場合が多い。一方の光学異性体から他方の光学異性体が生成するラセミ化の研究はこれまで行われてきた。 我々はフルクトースなどの還元糖がミカンなどに含まれるシネフリンのラセミ化を抑制する現象を発見した。この現象は「どのような化学構造を有する化合物のラセミ化にも有効なのか」について明らかにすることを目的とする。 本研究は還元糖が有する新規な機能をとおして、生理機能を有する様々な化合物を保存や加工する上でラセミ化を抑制する新しい研究分野の開拓につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
新規なキラルHPLC法を検討した。フェニルカラムと低濃度の各種シクロデキストリンを添加した移動相を用いることにより、マンデル酸、フェネチルアミン類、カテキン類及びアブシジン酸を光学異性体分離できることを明らかにした。マンデル酸、アドレナリン及びアブシジン酸は100 ℃で加熱してもラセミ化しなかった。カテキンとエピカテキンは加熱によりエピ化した。加熱時にグルコースとスクロースを添加してもエピ化には影響しなかったが、フルクトースによりエピ化が抑制された。アドレナリンを100 ℃で加熱すると分解が起こったが、この分解にもフルクトースは抑制作用を示すことが観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シクロデキストリン (CD) をキラル化合物として用いるキラルHPLC法が報告されているが、移動相に高濃度のCDを添加するため、非常に高価な分析法となっていた。我々は、粒子径が小さなフェニルカラムを用い、低濃度のシクロデキストリンを用いる方法を検討した。CDの種類を変えることにより、マンデル酸、フェネチルアミン類、カテキン類及びアブシジン酸を光学異性体分析できることが示された。この方法はCDの種類や濃度を自由に調節して最適化できることが特徴である。本キラルHPLC法の対象化合物を拡大できれば、価格的にも操作的にも十分汎用性が認められる方法として多くの研究者への利用が期待される。
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