研究課題/領域番号 |
20K05950
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩井 宏暁 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30375430)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 細胞壁 / 重力 / 力学的特性 / ペクチン / 重力屈性 / 細胞壁構造タンパク質 / マトリックス多糖類 / 重力応答 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の核心は、植物が重力応答時に、どのような細胞壁成分が少なくなり、また多くなることで力学的最適化を行う「細胞壁ホメオスタシス」機構が存在するかという謎に対し、細胞壁改変イネを用いた倒伏回復時の細胞壁の力学的性質を回復する過程を調べることで解決に挑む。戦略として(1)倒伏回復に異常が生じた細胞壁改変イネの解析により、すでに有力な結果が出ている候補について調査する、(2)細胞壁改変イネおよび熱帯植物ライブラリーからの新規の重力応答性細胞壁マーカーの探索、(3)重力応答予測数理モデルの構築することにより、新たな重力応答予測モデルの構築を目指す。
|
研究成果の概要 |
植物が自らの姿勢を正常に維持するための情報源として利用して来たのが重力である。ペクチン、ヘミセルロース、細胞壁構造タンパク質を改変した40種以上イネより、重力屈性が変化したイネの同定を試みた。その結果、倒伏させた状態から回復する角度を調査した結果、キシロシダーゼ過剰発現イネで約46%高く、β-キシラナーゼ過剰発現イネでは約10%低いことが明らかとなった。また、花粉管の通り道である花柱の力学的性質を決定するペクチンが、物理的障害として受精の調節を担っているかどうかについても調査した。ペクチンメチル基転移酵素の変異体では、雌しべの花柱の力学的性質に異常が生じ、花粉管が不通過となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新たな重力応答性細胞壁マーカーの同定は本研究の独創的な点であり、他の環境応答バイオマーカーとの技術融合による建材植物生産効率の大幅向上が期待できる。また、タケやヤシ科植物など、他の建築用資材植物の有料資材獲得の大幅効率化にも寄与できると予想される。これらの成果を元に、重力応答数理予測モデルを構築することは、異分野融合に大きな貢献をするものと期待している。また、重力応答数理予測モデルは、適切な材料を選択することも含め建築設計にも利用できるものを構築したいと考えている。
|