研究課題/領域番号 |
20K05955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 静岡大学 (2022) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
橋本 将典 静岡大学, 農学部, 准教授 (20615273)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 根圏マイクロバイオータ / アルカリ土壌 / 鉄欠乏 / クマリン / アルカリ不良土壌 / 根圏微生物 / アルカリ土壌耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
全世界の耕地のうち、およそ3割がアルカリ不良土壌である。アルカリ土壌では、鉄などの養分の不溶化や高pHによる複合的なストレスが、植物の健康な生育を妨げている。植物に高度なアルカリ土壌耐性を付与できれば、農業生産性を高めることができる。植物の根圏には、細菌を含む多様な微生物群集「根圏マイクロバイオータ」が生息し、植物の栄養吸収や環境ストレス耐性等を向上させている。本研究では、植物の二次代謝産物群に関わる変異植物体や根圏マイクロバイオータの再構成系を用いることにより、植物のアルカリ土壌耐性における根圏マイクロバイオータの機能メカニズムを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
全世界の陸地のうち、およそ3割がアルカリ不良土壌であり、鉄の不溶化などによる複合的なストレスが植物の生育を著しく妨げる。植物の根圏には、微生物群集「根圏マイクロバイオータ」が生息し、植物の栄養吸収や環境ストレス耐性等を向上させている。本研究では、根圏マイクロバイオータが植物のアルカリ土壌耐性に寄与するメカニズムの一端を明らかにすることを目指した。その結果、植物の根から分泌される二次代謝産物であるクマリン類が、アルカリ土壌において根圏マイクロバイオータのコミュニティ形成に関わるとともに、鉄欠乏条件下において根圏マイクロバイオータに作用し植物の鉄吸収を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の鉄吸収メカニズムについてはこれまで多くの研究がなされ、関与する植物タンパク質やその働きが明らかにされてきた。しかし、植物の鉄吸収における根圏マイクロバイオータの役割についてはこれまで注目されていなかった。研究代表者らは、根圏マイクロバイオータの人工的再構成系を用いることで、根圏マイクロバイオータが鉄欠乏条件下で植物の鉄吸収を促進する働きを持つことを示した。また、その微生物群集の機能には、植物の根から分泌されるクマリン類が重要な役割を担うことを示唆する結果を得た。
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