研究課題
基盤研究(C)
中枢神経系において,興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸はシナプスに放出されて受容体を活性化した後,神経シナプス前細胞やグリア細胞の一種のアストロサイトに回収されてシナプス伝達が終結する.神経細胞をとりまく細胞外マトリクスであるペリニューロナルネットの骨格を形成するヒアルロン酸の合成はグルタミン酸の回収を支える.ペリニューロナルネットやグルタミン酸トランスポーターの発現・局在・活性を制御する神経細胞―アストロサイト相互作用にかかわる分子を明らかにし,グルタミン酸回収機構を調節して正常な興奮性伝達を維持する仕組みを解明する.
アストロサイトの分岐形成とグルタミン酸回収機能の成熟過程を二次元培養で観察し、報告した。アストロサイトの成熟を促す神経細胞との相互作用因子を同定するため、アストロサイト特異的に発現する膜タンパク質200種余を標的とした遺伝子破壊によるスクリーニングを行い、10余に絞りこんだ。複数の遺伝子の関与が想定されたので、グルタミン酸トランスポーター3種を標的に複数の遺伝子の同時破壊が可能であることを確認した。
アストロサイトは神経細胞の存在下でのみ、複雑に分岐した構造をとり、神経細胞が放出した興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸を回収してシナプス伝達を終結させるのに必要なグルタミン酸トランスポーターGLT1を発現するようになる。しかし、神経細胞との間にどのようなシグナルのやりとりが行われているかは不明である。本研究ではアストロサイト特異的に発現し、この過程に関わる膜タンパク質の同定を目指し、候補を10余に絞りこんだ。
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