研究課題/領域番号 |
20K05979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 雅也 東北大学, 農学研究科, 准教授 (70732543)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自家不和合性 / アブラナ科 / 受容体キナーゼ / SRK / S遺伝子 / S-locus receptor kinase |
研究開始時の研究の概要 |
植物が他殖を行うための機構として自家不和合性がある。アブラナ科では同じSハプロタイプにコードされる柱頭因子SRKと花粉因子SCRが相互作用し、自家不和合性反応が起きる。アブラナ科野菜のF1品種採種に自家不和合性は利用されており、自殖種子の混入を防ぐため、強く安定した自家不和合性が求められている。そこで、本研究ではアブラナ科野菜S遺伝子系統の多数のSハプロタイプを対象に、細胞膜に局在するSRK量に注目して、自家不和合性の強度などの分子機構を明らかにし、F1品種採種法の育種技術向上を目指す。
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研究成果の概要 |
アブラナ科野菜の自家不和合性は育種や採種と深く関係する重要な農業形質である。自家不和合性の程度(強度)は系統間で差があることや、栽培環境により変化することが知られていたが、その分子機構の詳細は明らかになっていない。本研究では、自家不和合性の柱頭因子であるSRKに注目し、アブラナ科植物の自家不和合性程度の解明を試みた。本研究の成果により自家不和合性程度が安定的なS遺伝子系統を見いだすと共に、SRKの細胞膜局在率とある程度相関することを見いだした。また、アブラナ科野菜であるB. rapa種の自家不和合性認識特異性をモデル植物であるシロイヌナズナに付与することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
流通するアブラナ科野菜のほとんどは異なる親株の後代であるF1品種であり、その採種の一部には自家不和合性が利用されている。しかし、自家不和合性程度の低さによる自殖種子混入が問題となっている。本研究では、自家不和合性程度が安定的なS遺伝子系統を見いだした。見いだした安定的な系統を利用することで自家不和合性程度が安定で高F1純度を達成できる品種の育成に寄与する。 また、シロイヌナズナでB. rapaの認識特異性を付与する実験系を構築できたため、今後、B. rapaで蓄積した知見とシロイヌナズナの実験の簡易さを利用することで、自家不和合性研究の加速が期待できる。
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