研究課題/領域番号 |
20K05988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
手塚 孝弘 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 講師 (20508808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 種子発育不全 / 未熟果実脱離 / 種間交雑 / 倍数体間交雑 / 生殖隔離 / 遺伝解析 / タバコ / 子房落下 / 植物遺伝育種学 / 倍数性間交雑 / 器官脱離 / 植物遺伝育種 / 倍数性 |
研究開始時の研究の概要 |
タバコの特定の種間交雑において、受粉後に肥大した子房(未熟果実)が成熟前に落下してしまう現象(子房落下)を独自に見出している。この現象は生殖隔離の一種と捉えることができ、植物育種上の大きな問題であると考えられるが、研究事例が極めて少なく、その機構には未解明の点が多く残されている。本研究では、①種子発育不全および子房落下に関わる原因・関連遺伝子を同定し、この現象の機構解明を目指すこと、②種子発育不全および子房落下現象の普遍性を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
植物の種間交雑では種子発育不全などの生殖隔離が認められることが多く、交雑育種の妨げとなっている。タバコの種間交雑において、交雑組合せによって程度の異なる種子発育不全(タイプⅠおよびタイプⅡ種子発育不全)が生じることを見出している。タイプⅡ種子発育不全ではタイプⅠ種子発育不全よりも重度の症状が認められ、受精後発達中の子房の脱離が誘発される。これらの成果はFrontiers in Plant Science誌において論文として発表した。本年度は、これらの生殖隔離のメカニズムを解明するために次のような実験を行った。 1)種子発育不全が分離すると考えられる正逆F1雑種およびそれらに由来する2つのF2集団を用い、これらの各個体をタバコ栽培種と交雑することで遺伝解析を行った。種子発育不全の程度は子房脱離を指標として評価した。その結果、種子発育不全は量的形質であり、複数の遺伝子がかかわっていることが示唆された。正交雑では約2個、逆交雑では約9個の遺伝子が関与していることが示唆された。本成果は、日本育種学会において発表した。 2)植物の倍数性を操作するために、コルヒチン処理を実施した。Arabidopsis属の2倍体植物からは4倍体を得ることができた。しかし、新規に作出した4倍体を用いてさらにコルヒチン処理を実施したところ、倍加個体の生育が著しく阻害され、その後代を得ることはできなかった。 3)その他の生殖隔離に関する研究も進め、雑種弱勢の研究成果を論文としてPLoS ONE誌で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は種子発育不全および子房脱離について、遺伝解析を中心に実験を進めた。多数のF1およびF2植物を栽培・維持し、個体ごとにタバコ栽培種と複数回の交雑を行うことで各個体の表現型を判定する必要があるが、地道に交雑や観察の作業を続け着実に成果を出すことができている。したがって、本研究課題はおおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で作成した分離集団のうち、まだ交雑を行っていない個体を用いて解析を行い、遺伝解析に使用する個体数を増やす予定である。遺伝解析では子房落下を指標として表現型を決定しているが、それが種子発育不全の程度ともリンクしていることを種子切片を用いた顕微鏡観察によって検証する。また、正逆F2分離集団を用いたQTL解析を実施する予定である。
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