研究課題/領域番号 |
20K05993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
柏木 孝幸 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40595203)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 炭水化物蓄積 / 倒伏抵抗性 / QTL集積 / イネ |
研究開始時の研究の概要 |
イネの倒伏抵抗性育種では主に形態形質の制御が主流とされてきたが、形態形質の制御だけで多様な品種に対応するのは困難である。形態形質以外のターゲットとして稈内成分があり、セルロース等の構造性炭水化物やデンプン等の非構造性炭水化物の蓄積制御が倒伏抵抗性を改良することが明らかになっている。一方で優れた倒伏抵抗性獲得には遺伝的要因の集積が必要であるが、稈内炭水化物蓄積では異なる機能の両立性が不明である。本研究では、構造性・非構造性炭水化物の蓄積に関与する遺伝的要因が導入された集積系統を作出し、遺伝的要因の集積が稈内炭水化物蓄積特性及び倒伏抵抗性に与える影響を明らかにし、新たな倒伏抵抗性改良を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はイネの異なる稈内炭水化物蓄積特性に関与する遺伝子座を複数導入することによる蓄積機能の両立性と倒伏抵抗性における効果を解析した。基部節間の非構造性炭水化物蓄積特性に関与するprl5及びPRL4と上位部稈の構造性炭水化物蓄積に関与するBSUC11の集積系統を解析した結果、prl5とBSUC11の集積系統では炭水化物蓄積及び稈の物理強度において効果の両立性が確認された。一方でPRL4とBSUC11の集積系統ではBSUC11機能が消失したことから、集積する遺伝子座の組み合わせが作用効果に影響することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果より示された非構造性炭水化物蓄積による下位部の支持力強化及び構造性炭水化物蓄積による上位部稈の物理特性強化に関与する遺伝子座の集積効果は、その組み合わせにより稈内炭水化物蓄積特性及び物理特性における両立性が可能であることを明らかにした。稈の形態形質に関与する遺伝子座の集積は優れた強稈性を獲得できることが報告されているが、形態形質の制御以外に稈内炭水化物蓄積に関与する遺伝子座を集積することでも物理特性の強化が可能であることから、新たな倒伏抵抗性の育種デザインを提示できた。
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