研究課題/領域番号 |
20K05995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鴨下 顕彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10323487)
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研究分担者 |
津釜 大侑 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10726061)
大友 量 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (80355081)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | イネ / 菌根菌 / 水条件 / 品種間差 / 接種 / 感染率 / 菌叢 / トウジンビエ / 共生 / 乾燥 / 根系 / 接種試験 / ストレス / 水 / 品種 |
研究開始時の研究の概要 |
イネとアーバスキュラー菌根菌(AM菌)の共生について、第1に、AM菌のイネへの感染による共生系の形成と作物生産性が、培地の水分の変化によって変わりうる仕組みを、分子レベルから組織・個体・群落レベルで明らかにする。節水栽培・乾燥ストレスに対して、共生系が適応性・抵抗性を発揮することを検証する。第2に、イネの根の形態・内部構造、水分適応性に関する諸形質の遺伝的変異と、AM菌との共生関係について、明らかにする。根中心柱の太い準同質遺伝子系統、水稲と陸稲品種、日本在来種コアコレクションを用いて、幼植物検定と圃場試験により、分子・組織・個体・群落レベルでAM菌のイネへの影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
イネとアーバスキュラー菌根菌(AM菌)の共生に関して、水環境条件の変化に対する菌叢は、畑の灌漑によって2つの菌種が増加し乾燥への応答はなかったが、対照作物のトウジンビエでは乾燥によりClaroideoglomusの割合が増加した。水環境条件の変化に対してAM菌感染率は比較的安定していた。土壌深層ではRhizophagusの比率が高く、浅層よりも感染率が高かった。多様なイネ64品種の間では、感染率は、地下部への分配比と関連していた。Kinandang Patongの感染率が高い理由を、根の太さと側根の形状から説明した。イネよりも対照作物のトウジンビエの方が、AM菌に対する応答が高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AM菌の接種効果、土着菌の動態、品種間差異、水環境への応答について、イネに関する基礎的な知見を得、さらにより乾燥適応性の高いトウジンビエとも比較をした。気候変動の悪化への懸念が増大する社会状況にあって、農業分野でも二酸化炭素排出の少ない生産システムの設計が求められている。化学肥料の投入量を減らしながら、作物生産の養分管理を行う1つの方法として、本研究成果をさらに発展させてゆき、農業生態系の中で活用できる技術へと応用してゆくことが期待される。圃場を主にした実験系で、イネのAM菌の水環境条件への応答と、品種間差に関して、学術的に重要な知見を示した。
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