研究課題/領域番号 |
20K05998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
深山 浩 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (60373255)
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研究分担者 |
松村 浩由 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324809)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光合成 / Rubisco / C4植物 / X線結晶構造 / イネ / 酵素特性 / ソルガム / タンパク質構造 / 遺伝子組換え / ルビスコ / X線結晶構造解析 / アミノ酸置換 / RbcS / 戻し交配 / 高CO2 / 結晶構造 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成速度は収量の重要な決定因子であり,そのボトルネックは触媒速度が遅いRubiscoである.CO2濃縮回路を持つC4植物のRubiscoはC3植物の2倍以上の触媒速度を示し効率よく光合成を行っている.我々は,触媒速度の高いC4植物のRubiscoの小サブユニット(RbcS)をC3植物のイネに導入することで,イネRubiscoの触媒速度を大幅に増加させることに成功した.本研究では,それら高活性型のハイブリッドRubiscoを利用して高い光合成能力と生産性を発揮できるイネの開発を行う.また,触媒速度の高いRbcSがRubisco触媒速度を増加させるメカニズムをX線結晶構造解析により明らかにする.
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研究成果の概要 |
ソルガムRbcSとイネRbcLのハイブリッドRubiscoを発現するCSS系統の戻し交配を行ったが,稔実率は回復しなかった.ソルガムRbcS-L102IイネのRubiscoではCSS系統よりも触媒速度が有意に低く,イネRbcS-I102LイネではCO2に対するミカエリス定数が高くなった.ネピアグラスRbcS・イネRbcLハイブリッドRubiscoを発現するイネを作出したが,正常に機能しなかった.OsRbcS1高発現・イネRbcS発現抑制系統のRubiscoのX線結晶構造解析より,これまでに報告のない触媒サイトの構造の違いを明らかにすることができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Rubiscoは光合成速度の主要な律速因子である.本研究ではソルガムRbcSをイネに導入することで,イネに高活性型のRubiscoを付与することに成功した.また,ソルガムRbcSの102番目のロイシンが触媒速度に関係することを点突然変異を導入したRbcSを用いて明らかにした.また,102番目がイソロイシンであるOsRbcS1にも触媒速度を高める効果があるが,そのメカニズムについてもX線結晶構造解析から推定することに成功した.これらの成果は学術的な価値だけでなく,光合成の改良による作物生産性の改良に繋がる重要な成果である.
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